【かきつばた記念回顧】ハイペースでもバテないラプタスが圧倒(斎藤修)

2020年05月05日 18:00

逃げ切って重賞2連勝を飾ったラプタス(撮影:稲葉訓也)

 ラプタスはスタートからゴールまで、まったくスキのない圧倒的なスピードを見せての逃げ切りだった。

 最内リアンヴェリテの鞍上・佐藤友則騎手が出ムチを入れてハナを取りに行ったが、ラプタスの幸英明騎手はスタートで軽く気合を入れただけ。あとはほとんど持ったままで、最初のゴール板あたりでハナを取りきってしまった。何というか、普通のエンジンとターボエンジンくらいにダッシュ力が違う。最初の3F=35秒7はかなり速い。昨年までの過去5年を見ても35秒台はない。

 向正面でもラプタスにはマイペースだが、後続の有力馬たちがそのペースについていこうと思えば、必然的に手綱を動かしながらということになる。早くもムチを入れる馬もいて、3コーナーあたりの手応えで勝負あったという感じ。トップハンデ57kgも関係なかった。

 ラプタスは前半のペースが速くても最後までスピードが落ちないことは、前走黒船賞のレースぶりでもわかっている。これを負かそうとすれば、後続は必然的に追い通しとならざるをえず、それゆえゴール入線はバラバラ、着差がついてという結果になった。

 ラプタスはダートではまだ1400mしか経験していないが、中央の1400mよりもコーナー4つの地方の1400mでこそ、もっとも能力を発揮する舞台に思える。

 ただ今年はJBCの舞台が大井。3、4コーナーを回るだけの1200mでどうかは、北海道スプリントCやクラスターCなどで試されることになるのだろう。4月の東京スプリントではコパノキッキングが5着に敗れ、混戦のダートスプリント戦線では頭ひとつ抜けた存在になるかもしれない。

 3馬身差だが、2着には地元の岡部誠騎手が手綱をとった8歳のノボバカラが入った。4年前のこのレースが重賞制覇で、以降、地方の1400m戦に限ると崩れたことがなく、勝ち馬とのタイム差も1秒以内。1、2コーナーではやや差のある5番手だったが、向正面のペースが落ち着いたところで早めに前との差を詰めたことが好走の要因だろう。

 さらに5馬身離れて3着には浦和のドリームドルチェで、勝ち馬からは8馬身、1秒6差。前哨戦の東海桜花賞が4馬身差の完勝だったとはいえ、良馬場で勝ちタイムが1分27秒6では、今回中央勢が相手となると厳しいと思い△3番目の予想としたが、ラプタスが圧倒的に強く、ノボバカラ以外の中央勢は苦戦を強いられたぶん3着を確保した。メンバーのレベルが上がって、東海桜花賞の勝ちタイムよりコンマ7秒縮めての1分26秒9なら自分の時計では走っている。

 そういう意味では東海桜花賞で2着だったマイタイザンは、そのときが57kgを背負って1分28秒5、今回が53kgで1分27秒4(5着)ということでは、2番手追走でも能力は発揮した。

 2番人気ながら7着に敗れたアディラートは出遅れが致命的だった。向正面では前との差を詰めようとおっつけ通しだったが、それでも中団まで。逃げた馬が終いに甘くなるタイプだったらまだチャンスはあったかもしれないが、ハイペースでも最後までバテないラプタスでは相手が悪かった。

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