6月2日、地方競馬のダービーシリーズ2戦目となる石川ダービー(2000m)が金沢競馬場で行われる。地元デビュー馬や、門別やJRAからの移籍組など金沢所属12頭による戦い。ここ1カ月の各馬のレースぶりによって、やや混戦ムードが漂ってきた感じがする。

　そんな中で中心は石川ダービー2勝の吉原寛人騎手騎乗のハクサンアマゾネス。デビューは今年4月と遅かったが、3戦3勝で重賞・ノトキリシマ賞を制した。重賞初制覇となったその前走は3コーナーからスーッと先頭に立ち、直線は後続に8馬身差をつけての勝利。金沢デビュー馬限定の牝馬重賞で、出走馬に能力のバラつきがあったとはいえ、ハクサンアマゾネス自身は力を示したし、引き続き吉原騎手が手綱を取るというのも心強い。

　相手候補はストロングフーヴス。前走・北日本新聞杯はクビ差2着だったものの、3コーナーで先頭に立ち、直線では独走態勢に入っていたように力はかなり上位だ。先頭に立つと幼さを見せるなどレース展開に難しさがありそうだが、強い馬が揃ったここはかえってレースがしやすいかもしれない。

　そのストロングフーヴスに前走で勝ったのがフジヤマブシ。2歳時から見栄えのする馬体だったものの、重賞ではずっと2、3着続きで、嬉しい重賞初制覇となった。4コーナー手前では先頭とかなり差がありながらも、直線の立ち上がりで大外に出すとゴール直前で差し切り勝ち。前走から300m延びることはプラスに働きそう。

　そしてハイタッチガールは2歳時に金沢プリンセスカップ、兼六園ジュニアカップと重賞を2連勝した強い牝馬。しかし、兼六園ジュニアカップ後は長期休養に入り、前走が7カ月ぶりの一戦だった。アタマ差の2着は休み明けとしては十分かもしれないが、3歳牝馬なだけに馬体重が増えていないことがやや不安。兼六園ジュニアカップ勝利時に青柳正義騎手は「折り合いには苦労しない馬。勝負所での動きが渋いので早めに動きました」と話しており、その点では2000mはいいのかもしれないし、門別時代に1700mのJRA認定戦勝ちもある。ひと叩きした上積みがどこまであるかだろう。

　コードジェニックはJRA1勝クラスから金沢へやってきた。移籍初戦の前走がハイタッチガール相手の勝利。490kgと馬格もあるため、地方の深い砂もこなして重賞で上位争いに加わりそう。また、重賞・ノトキリシマ賞2着のドンナフォルテも上位争いの一角を形成するだろう。

　石川ダービーは6月2日金沢11R、17時30分発走予定。

(文：大恵陽子)