1番人気が濃厚なクレイジーアクセル。遠征馬と地元馬の対戦成績は互角だけに、気の抜けない戦いになる(撮影:高橋正和)
ディアマルコ(高知)の3連覇が強烈に印象に残るレースだが、過去の戦績は6勝6敗で地元馬と遠征馬は数字のうえではまったくの互角。とはいえ、グランダム古馬シーズンに組み込まれている関係もあって、年を追って遠征馬のレベルは上がっている。今年は、これまでで最強といえるのではないか。競走レベルが跳ね上がるのは間違いなく、地元馬に強烈な逆風が吹き荒れている。
実績から最有力視されるのはクレイジーアクセル(大井)。ハンデ差があったとはいえ、JRAの精鋭を完封したクイーン賞(船橋)の逃げ切りは鮮やか。フロックでDG競走を勝てるはずもなく、地方牝馬限定の重賞なら抜けた存在。昨年もこの時期に門別、水沢と重賞を連覇しており、この馬こそがサマークイーンの称号にふさわしい。
ジェッシージェニー(大井)も昨年の夏から秋にかけて金沢、名古屋で重賞を連覇。ローテに無理がなく、前走勝ちで気を良くしての参戦なのも心強い。小回りコースへの適性の高さを示しているのも好感が持てる。
6月の六甲盃で、兵庫最強馬の呼び声が高いタガノゴールドを打ち負かしたアッキー(川崎)も要注目の一頭。千七への距離短縮がどちらに転ぶかだが、園田コースで結果を出しているのは強みで軽視できない。
南関東勢には一歩譲るがヴィクトアリー(笠松)もなかなかの素材。前走の佐賀ヴィーナスC(3着)の上がりタイムは、勝ち馬のジェッシージェニーと並ぶ最速タイ。あくまで伏兵の域は出ないが、展開次第で浮上の余地は残されている。
残念ながら地元馬はあまりに層が薄い。そもそもA1で活躍している牝馬の絶対数が少なく、地の利が見込めるとしても劣勢は否めない。競走センスの比較ならステップシュートだが、本質的には千四でこその馬。昨年(8着)のリベンジに燃えているが、メンバー的にも強くは推せない。
狙えるとすればエイシンセラードか。移籍初戦の前走は3着敗退も、JRA4勝馬の底力を侮ってはならない。復調の度合いがカギになるが、良馬場前提で抜擢する手はありそう。
(文=「大阪スポーツ」記者・瀬藤治人)