重賞に格上げされて7回目という歴史の浅いレースだが、「いちょうS」時代から出世レースとして名高い存在で、昨年の優勝馬
サリオスは、朝日杯に勝ち、皐月賞2着、ダービー2着。2着馬
クラヴァシュドールもチューリップ賞2着、阪神ジュベナイルフィリーズ3着と世代トップクラスの活躍をして、一昨年は
グランアレグリアが、17年は
ダノンプレミアムが優勝馬として、その名をレースの歴史に刻んでいる。
特徴的なのは、過去6回いずれも新馬、または未勝利戦を勝ち上がった馬が勝利していることか。2着馬も同様で、過去6回中5回がキャリア1戦の馬だった。唯一の例外は17年2着
ステルヴィオで、この馬は東京競馬場芝1600mの新馬戦で勝利したのちに札幌の
コスモス賞で連勝。2歳Sへは向かわずに、ここに挑んできた。
◎
インフィナイトは、不良馬場で行われた新潟競馬場の芝1600m新馬戦を楽勝してきた。牝馬ながらに馬格にも恵まれ、抜群のダッシュから、ほかの馬がセリかけてくるやさっと下げるセンスの良さも見せた。父の
モーリスは、
モーリス自身がそうだったように瞬発力というよりも
パワーに裏付けされた持久力で勝負するようなタイプが多いように見受けられる。母の半弟
ダンビュライトは、2016年の本レース2着馬で、近親には
クリソライトや
クリソベリル、やや重馬場の宝塚記念で
ドゥラメンテを破った
マリアライトなどがいるファミリー。成長力もありそうだ。
○
キングストンボーイは皐月賞馬
エポカドーロの半弟。こちらは洋芝の札幌競馬場芝1800mの新馬戦を勝ち上がってきた。スタート直後は、どこか落ち着きがないようなレース運びだったが、馬場を1周してくる間にも馬が成長したかのような走りを見せ、最後2着馬との争いではしっかりと伸びて3着以下に大きな差をつけた。スケールの大きさを垣間見せている
ドゥラメンテ産駒で、母も2歳重賞の勝ち馬。決して早熟ではないだろうが、仕上がりも早そうだ。
▲
ジャンカズマは重馬場のデビュー戦2着のあと札幌競馬場で勝ち上がり、クローバー賞3着。
ハービンジャー産駒らしく、時計のかかる芝は得意としそうだ。ファンタジーS2着など快速で鳴らした母だが、その母の半弟には
ノーザンリバーがいて、近親には不良馬場のダービーを逃げ切った
ロジユニヴァースがいる。時計がかかればかかるほど、頭角を現してきそうな1頭だ。
△
ダディーズビビッドも侮れない。6月の新馬戦で世代初勝利を挙げたのち、一息いれて野路菊S2着。セレクトセールの
ミリオンホースには及ばなかったが、過去2戦ともにメンバー最速の上がりタイムを記録している。近親に
ヒシアマゾンがいるファミリーも魅力的だ。
最後に△
スペシャルトーク。重馬場のシンザン記念を勝った
キョウヘイに代表されるように、
リーチザクラウンの産駒は重馬場巧者が多く。祖母キッスパシオンも、母の半姉
アドマイヤキッスも重馬場を得意としていた。