【名古屋グランプリ・予想】特殊な“砂の2500m戦” 好走条件を探す

2020年12月09日 17:00

白山大賞典を制し、ダートグレード2連勝中のマスターフェンサー(撮影:武田明彦)

 10日、名古屋グランプリ(JpnII)が名古屋競馬場で開催される。ダートグレード連勝中のマスターフェンサー(牡4、栗東・角田晃一厩舎)が注目を集める中、対抗に3月の名古屋大賞典(JpnIII)を圧勝したロードゴラッソ(牡5、栗東・藤岡健一厩舎)、シリウスS(GIII)2着のサクラアリュール(牡5、栗東・村山明厩舎)など、実績ある馬たちがエントリー。スタミナも問われる特殊な一戦を前に、各場で実況を担当する大川充夫アナウンサーがレース傾向を解説する。

「名古屋グランプリは距離2500m。全国でおこなわれるダートグレード競走中の最長距離レースだ。

 過去5年の連対馬9頭のうち、このレースの前に2000m以上のダートグレード連対の実績を持っていた馬が7頭。

 残りの2頭は18年勝ち馬のチュウワウィザードと17年2着のトップディーヴォだが、どちらもここまでの勝ち星が1800m以上ばかりだった。明確に、ダート長距離に適性を持つ馬が勝ち負けする、そういうレースだと言っていい。

 この競走は2001年創設で、第1回はミツアキサイレンス(笠松)が勝ち、第2回も2〜5着馬が地方所属馬であったが、近年になるほど中央勢が圧倒し、過去10年で馬券にからんだ地方所属馬は、カツゲキキトキト(名古屋)のみ。今年も、まずは中央勢を検討することになる。

 その年のシリウスS、マーキュリーカップ、白山大賞典、浦和記念での好走馬がこのレースでも好走する例は多く、信頼度が高い。その点で、マスターフェンサーは他をリードしている。サクラアリュールもポイントが高い。

 ロードゴラッソは白山大賞典3着の上、今年3月の名古屋大賞典を勝っており、コース相性がいいのもプラスだ。

 ダイシンインディーは、勝ち星は1800m以上。2100mでも勝っているのは心強いが、オープンで入着歴のない馬がこのレースで好走した例はこれまでにない。

 ミツバは実績充分だが、近年の連対馬は、勝ち星か重賞連対が過去1年以内にあるということは覚えておきたい。

 地方所属馬では、上にあげた条件をクリアしている馬はいない。

 サウンドトゥルーは実績を思えば中央勢と同格に考えるべきだろうが、10歳という年齢は、もし3着以内に入ればこのレース初。今年、南関東の長距離重賞を2勝、ダイオライト記念3着という成績を条件クリアに近いとするかどうかも、判断が難しい。

 長距離戦、鞍上の腕競べも見ものだ。

 昨年優勝デルマルーヴルの手綱をとった岡部誠騎手は、レース直後に、『マーフィーにはないモノを、名古屋競馬場ならオレのほうが持ってるってことですよ。マーフィーも世界的な若き天才だろうけど、やっぱり地元である以上、いろんなこと知り尽くしてて自信もあったし、それが結果に結びついた』と語っている。

 天才的手腕を発揮し、フィーバーを巻き起こしていたマーフィー騎手が騎乗したアングライフェンは昨年2着。これを抑えて勝利をおさめた岡部誠騎手の名言だ。

 地元の名手・岡部誠は今年このレースで騎乗しないが(すれば本命にしようかと思ったが)、中央・地方の名手が数多く顔をそろえた一戦、各馬の鞍上にはぜひとも注目したい」

文=(株)耳目社アナウンサー・大川充夫

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