JRAは9日、06年度のJRA賞馬事文化賞に、映画「雪に願うこと」(根岸吉太郎監督、ビーワイルド製作)と、岩崎徹氏著の「馬産地80話 日高から見た日本競馬」(発行・北海道大学出版会)の2作品を選出した。
「雪に願うこと」は、日本独自の文化であるばんえい競馬を舞台にした映画で、原作は鳴海章の小説『輓馬』(ばんば)。第18回東京国際映画祭で、コンペティション部門の最高賞「東京サクラグランプリ」・最優秀監督賞・最優秀主演男優賞(佐藤浩市氏)、観客投票による観客賞と併せて冠4のタイトルに輝いた。
「馬産地80話 日高から見た日本競馬」は、困難な局面にある北海道の馬産地の過去と現状を踏まえて提言を行ったもので、馬産地の将来を懸念しつつ、希望を失わずにアイディアを求めるという姿勢で書かれている。
馬事文化賞は日本の馬事文化に貢献のあった個人(団体)に贈られる賞で、05年度は『馬映画100選』の著者・施丸巴(つむじまる ともえ)氏が受賞した。過去の受賞者には、競馬総合チャンネルの血統コラムでおなじみの吉沢譲治氏や故・戸山為夫調教師、小説『優駿』の著者宮本輝氏、映画『シービスケット』の著者ローラ・ヒレンブランド氏らが名を連ねている。