【勝負の分かれ目 天皇賞・春】福永騎手の積極的な騎乗でワールドプレミアが快勝

2021年05月02日 19:00

2つ目のGIタイトルを手にしたワールドプレミア

 5番のディアスティマが好スタートから飛び出し、9番ジャコマルも速いスタートを切って並びかけて行く。競り合いがつづくかと思われたが、最初のコーナーの外回り3コーナー入口では、先頭ディアスティマ、1馬身ほど遅れた2番手がジャコマル、3番手がカレンブーケドール、4番手にシロニイ、さらに1番人気のディープボンドといった馬たちが好位グループを形成し、コーナーを回って行く。

 アリストテレスがその好位集団から2馬身ほど後ろ、福永祐一が騎乗するワールドプレミアは、さらに2馬身ほど遅れた中団の内で折り合いをつけている。

「もう少しいいスタートを決めて、ある程度いい位置で競馬するのがベストだと考えていたのですが、内枠ということもあり、上手くリカバリーできました」と福永。

 1000m通過は59秒8。先頭から最後尾まで15馬身ほどと縦長になり、正面スタンド前を通過して行く。

 ディアスティマが引っ張る馬群は1、2コーナーを回り、向正面へ。

 ワールドプレミアはアリストテレスの真後ろにいたのだが、向正面なかほどで、福永はやや外に持ち出した。

「ウインマリリンが進出して来たので、そのタイミングである程度ポジションを確保しておかないと、動きたいときに動けなくなるだろう、と。考えていたより早く外に出す形になりましたが、長くいい脚を使ってくれました」

 ディアスティマが先頭のまま、2周目の3、4コーナーを回って行く。

 カレンブーケドールが2番手。外からディープボンドが3番手に押し上げてきた。その内からアリストテレスも進出してくる。

 ワールドプレミアは、外にウインマリリンを引き連れ、アリストテレスの外に並びかけて最後の直線に向いた。

 カレンブーケドールが直線入口で先頭に躍り出た。

 馬場の真ん中からディープボンドが差を詰める。

 さらに外からワールドプレミアが猛然と追い込んで行く。

 左鞭を入れていた福永が鞭を右手に持ち替えて叱咤すると、ワールドプレミアは手前を右に戻して、ゴール前でもうひと伸びした。そして、2着のディープボンドを3/4馬身差で競り落とし、先頭でゴールを駆け抜けた。

 直線で早めに先頭に立ち、勝ちに行く競馬をしたカレンブーケドールは3着。ワールドプレミアと一緒に上がってきたウインマリリンは5着と、2頭の牝馬が掲示板に載った。

 積極的に動いた福永が、ワールドプレミアに2つ目のGIタイトルをプレゼントしたと同時に、自身初となる春の盾を手中にした。

(文:島田明宏)

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