オークスはスライリーなどが狙い目か(撮影:下野雄規)
春のGIシリーズは、いよいよ3歳戦に突入。
今週は、東京芝2400m戦で行われる牝馬限定のGI『オークス』である。
先週の『ヴィクトリアマイル』(東京芝1600m)では、断然の1番人気グランアレグリア(ルメール)が支持通りの強さを見せつけて1着。当コーナーで「人気薄パターン」として指摘したなかの1頭ランブリングアレー(10番人気)が2着になってくれた。今週もそんな馬を見つけられたらいいなと思っている。
『オークス』は1番人気が強い、というイメージを持っている人は多いだろう。
確かにそのとおりで近5年はすべて1番人気馬の勝利だった(20年デアリングタクト・19年ラヴズオンリーユー・18年アーモンドアイ・17年ソウルスターリング・16年シンハライト)。
ただ昨年は7番人気ウインマリリンが2着・13番人気ウインマイティーが3着、一昨年は12番人気カレンブーケドールが2着と、このレースも人気サイドオンリーの攻め方では獲れない側面もあるわけだ。過去10年で、馬連=万馬券3回、3連複=万馬券4回、3連単=10万円超えが3回ということは穴狙いもいけるということなのだ。
それでは今年のメンバーを見ていこう。
まずは3歳牝馬2冠目を狙うソダシ(吉田隼)。白毛の牝馬スターはここまで無敗の5連勝中。もはや説明の必要もないトップホースである。ただ心配されるのはやはり血統面ということになりそう。父クロフネで東京芝2400m持つのかどうか。ただ世代のなかでも完成度はピカイチ。ここもアッサリ勝たれても納得ということになる。
ソダシに次ぐ『桜花賞』2着だったサトノレイナスが『ダービー』を選んだので2番人気になりそうなのはアカイトリノムスメ(ルメール)だ。前走『桜花賞』4着。かつての3冠牝馬アパパネの娘ということ、さらにルメール鞍上もあって人気になる。今のところ東京コースは3勝しているので、これも上昇あって不思議ない。
あとは『桜花賞』3着のファインルージュ(福永)。前走GII『フローラS』1着クールキャット(武豊)。前走リステッド『忘れな草賞』1着ステラリア(川田)。重賞3連続3着ユーバーレーベン(Mデムーロ)などの有力馬がいる。
あとは梅雨に近い週中の天気で、週末の馬場がどうなるかも焦点。わりと良馬場中心で戦ってきた今年の3歳牝馬メンバーだけにそこは波乱要素となるだろう。
◆買いたい人気薄馬はステップレースで好走実績ある人気の盲点
『オークス』で上位になる馬は「前走」どこを使ったかが大事。
過去10年の上位30頭を見ると、着順は関係なく前走『桜花賞』『フローラS』『忘れな草賞』だけで28頭とほとんどが占められる。例外は2頭、19年2着のカレンブーケドール(前走スイートピーS1着)と14年3着バウンスシャッセ(前走皐月賞11着)だけ。
まあ今年もほとんどが当てはまるローテ。それ以外の馬を軸にするのは、当然ながら得策ではない。
併せて今週も気に留めておきたいのは、人気薄馬のパターンである。
6番人気以下で『オークス』過去10年で馬券になっているのは以下の9頭だった。
20年 2着ウインマリリン(7番人気)・前走『フローラS』1着(4番人気)
20年 3着ウインマイティー(13番人気)・前走『忘れな草賞』1着(3番人気)
19年 2着カレンブーケドール(12番人気)・前走『スイートピーS』1着(2番人気)
17年 2着モズカッチャン(6番人気)・前走『フローラS』1着(12番人気)
15年 3着クルミナル(6番人気)・前走『桜花賞』2着(7番人気)
13年 1着メイショウマンボ(9番人気)・前走『桜花賞』10着(4番人気)
12年 3着アイスフォーリス(9番人気)・前走『フローラS』2着(2番人気)
11年 1着エリンコート(7番人気)・前走『忘れな草賞』1着(2番人気)
11年 2着ピュアブリーゼ(8番人気)・前走『フローラS』3着(3番人気)
人気薄はステップレースでの好走馬が多い。『オークス』で狙うべき人気薄馬とは、「そこまで人気が伴っていない前走好走組」なのである。
今年でいえば、クールキャット(フローラS1着)、タガノパッション(スイートピーS1着)、スライリー(フローラS2着)、ユーバーレーベン(フローラS3着)、ステラリア(忘れな草賞1着)あたり。ここから「6番人気以下」になるような馬がいれば妙味ありとなるだろう。
(netkeiba・大石川大二郎)