今年は函館で行われる一戦。17・18年の勝ち馬ディアドラとアエロリットをはじめとして、夏のローカルGIIIとしては豪華なメンバーが集まることが多いが、例年実績上位馬だけでは決まらず伏兵が食い込んでくる難しさがある。
1.前走GI組の上位独占はまれ
前走GI組はここに入れば格上の存在だが、前走GI組が3着以内を独占した例は過去10年で一度もない。昨年は前走GIIIで敗れていたレッドアネモスが11番人気で1着、一昨年は前走3勝クラスで2着だったカリビアンゴールドが9番人気で3着など、実績で劣る伏兵の台頭も多い一戦。
2.最終コーナーで前にいるか
11年以降に行われた函館芝1800mのオープンクラスの成績を、4角位置取り別で見てみると、連対した延べ30頭中、実に18頭は4角3番手以内だった。対して、4角7番手以下からの連対は4頭だけ。基本的には前有利のコース。
3.非サンデー系の台頭
洋芝小回りという特殊なコースのため、主流とはズレた血統の馬が台頭しやすい。11年以降に行われた函館芝1800mの1勝クラス以上の成績を、種牡馬の複勝率順(最少レース機会数5回)でみてみると、上位10頭のうち父サンデーサイレンス系はアドマイヤマックスとネオユニヴァースの2頭だけ。ダイワメジャーは17位、ディープインパクトは23位、ステイゴールドは27位、ハーツクライは32位。
サトノセシルは前走で同舞台の2勝クラスを快勝。ペースを刻んで逃げて、直線で迫る各馬を振り切る好内容だった。血統や実績からして、開催が進んで時計が掛かるようになっている馬場はこなせそう。上位人気は差しに構えるタイプが多いことも踏まえれば、格上挑戦のここも粘り込みのチャンスはあると見る。