9月に入って気温は一気にクールダウン。

　週末に向かってやや気温は上がってきたが、まさに秋競馬らしい中山＆中京の2場開催がスタートとなる。

　重賞開催は、土曜日に中山で紫苑S(GIII・芝2000m・3歳牝馬)。日曜日に中山で京成杯オータムH(GIII・芝1600m)と、中京でセントウルS(GII・芝1200m)が行われる。今週は、このなかからGII戦であるセントウルSをデータ分析していきたい。

　夏の猛暑ギアが一段落ちたせいか、人にとっても馬にとってもわりと過ごしやすかった今週。天候は相変わらず不安定だが、4月以来の開催となる中山競馬場はおそらくコンディションの良い芝だが稍重くらいの想定。一方、セントウルSは例年の阪神ではなく、昨年同様の中京競馬場開催となる。前開催から約3ヵ月経っているので、芝は状態回復したスピード馬場と考えている。

1　セントウルSはとにかく1番人気が強い？

　例年の馬券配当額だけ見ると、そこそこ荒れている感もあるセントウルS。
　
　しかし1番人気馬の成績は断トツに強く、過去10年で【5-4-1-0】と馬券圏内100パーセントになっている。連対率も90パーセントという圧倒的な強さだ。しかも近5年は1番人気馬5連勝。とにかく1番人気馬が強いレースなのである。

　反面、配当が良いというのは、人気馬の相手が難しいということだろう。昨年は1番人気ダノンスマッシュが1着するも、2着に12番人気のメイショウグロッケが入り、馬連でも万馬券という結果になった。もちろん1番人気との組み合わせが同じ上位人気でガチガチの結果ということもあるが、仮に軸馬としては1番人気から入ったとしても、中位人気-人気薄相手にするのが妙味なのだ。

　ちなみに、過去20年での1番人気成績となると【8-6-4-2】で、馬券圏内キープ率90パーセントだ。「そろそろ今年は…」と逆張りするのもアリかもしれないが、ちょっと勇気がいる。

　今年は1番人気確実のルメール鞍上レシステンシア(牝4・栗東・松下厩舎)軸でいくのが正攻法かも…。

2　やたらと8枠が絡むレース？

　このレースは毎年フルゲートになるわけではない。だが、8枠に入った馬が馬券になる傾向が続いている。過去10年で8回も8枠馬が馬券になっているのである。

　20年　17頭立て　8枠16番ダノンスマッシュ(1番人気)1着
　19年　13頭立て　8枠馬馬券にならず
　18年　15頭立て　8枠14番ファインニードル(1番人気)1着
　17年　14頭立て　8枠13番ダンスディレクター(4番人気)3着
　16年　13頭立て　8枠馬馬券にならず
　15年　16頭立て　8枠16番ウリウリ(1番人気)2着
　14年　15頭立て　8枠15番ハクサンムーン(1番人気)2着
　13年　13頭立て　8枠13番ハクサンムーン(2番人気)1着
　12年　16頭立て　8枠16番アンシェルブルー(12番人気)3着
　11年　15頭立て　8枠14番ダッシャーゴーゴー(1番人気)3着

　8枠は単に強いのではなく、1番人気馬が8枠に入ると激アツ状態ということがわかる。

　さらに8枠が馬券にならなかった年はどちらも13頭立てと少な目の頭数だった。14頭立て以上ならば確実に8枠が馬券になっているのだ。今年はそれ以上。8枠、特に1番人気が入った場合は馬券確率が高まるってこと…？　

　今年の8枠は、15番ピクシーナイト、16番ラヴィングアンサー、17番シゲルピンクルビーとなった。当然この3頭は注目しておきたい。

3　プラスキーワードは、関西馬と前走北九州記念組？

　まずは関西馬の強さが際立っている。過去10年で馬券圏内30頭中、関東馬はわずか3頭だけ(19年1着タワーオブロンドン・17年2着ラインミーティア・12年3着アンシェルブルー)しかいない。あとは海外馬が1頭いたが、ほか26頭はすべて関西馬。今年も関西馬多めなので、傾向は続きそう？

　そして前走北九州記念組もこのレースでは好成績が多い。30頭中10頭が前走北九州記念(小倉・芝1200m)を使っていた。着順としては上位のほうが活躍しているが、前走で惨敗していた馬もリベンジする場合もある。

　今年はシゲルピンクルビー(北九州記念4着)のほか、レッドアンシェル(北九州記念5着)、ジャンダルム(北九州記念7着)、ボンボヤージ(北九州記念10着)の合計4頭が出走予定。人気に関係なく積極的に狙ってみたい。
(netkeiba編集部)