トロヴァオの引退記念撮影時の写真。※撮影時はマスクを外しています。(撮影:高橋華代子)
重賞4勝を挙げたトロヴァオ(大井・荒山勝徳厩舎<小林>)が現役を引退し、大井競馬場の誘導馬デビューを目指すことになった。
トロヴァオはホッカイドウ競馬からデビュー。2歳秋から南関東の一員になり、本田正重騎手を背にハイセイコー記念で重賞初制覇を飾ると、3歳では真島大輔騎手とダービーグランプリ。7歳で藤田凌騎手が騎乗しフジノウェーブ記念。8歳の今年は、結果的にはラストランとなったサンタアニタトロフィーを笹川翼騎手とのコンビで優勝。
それぞれ異なる騎手の手綱でタイトルを獲得した。レース中の右前脚支持靭帯炎により現役を引退。2019年のJBCスプリント(浦和)での3着も印象的だった。
12月10日には引退記念撮影会が行われ、重賞を制した時の4人の騎手も集まり、卒業式のようなとても温かい空気が流れていた。
現在の大井競馬場の誘導馬は大井所属だった馬たちで、ボンネビルレコード、セイントメモリー、ナイキスターゲイザ、クリールマグナムの4頭。新加入するトロヴァオが、父カネヒキリ譲りの栗毛の馬体をカクテル光線に照らされながら、後輩たちをエスコートする姿が今から待ち遠しい。
荒山調教師
「ホッカイドウ競馬から来て最初に攻め馬を見た時には、手先が軽くてバンビちゃんのような馬だなぁと思いました。芝馬のような走りだったのでダートは大丈夫なのかな?と思うような軽い跳びでしたが、ここまで長い間ダートで走り続けてくれました。8歳になってもあどけない顔立ちは変わらなくて、かわいい馬でした。
来年のサンタアニタトロフィーには、成長してしっかりした誘導馬になって、後輩たちを引き連れている姿を見るのが楽しみです」
【トロヴァオ】
8歳牡馬
馬主:(有)キャロットファーム様
生産:ノーザンファーム様(安平町)
父:カネヒキリ、母:サワズソング、母父:Cox's Ridge
36戦6勝2着6回3着4回(ハイセイコー記念、ダービーグランプリ、フジノウェーブ記念、サンタアニタトロフィー)
(取材・文:高橋華代子)