トウメイ 馬インフルの難免れた“運命” 有馬記念の歴史に残る偉大な牝馬

2021年12月22日 06:00

 ライバルを力でねじ伏せたトウメイ(中央)=1971年12月19日

 目下2年連続で牝馬が頂点に立っている暮れのグランプリ。過去に有馬を制した牝馬にスポットを当てた。第2回は71年のトウメイを振り返る。

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 1960年のスターロツチ以来、11年ぶりの牝馬Vを飾ったのがトウメイだ。出走時の馬体重は430キロと小柄だったが、同レース史上最少頭数となった暮れの中山で大きく輝いた。

 当時、馬インフルエンザが大流行。前年2着のアカネテンリュウに、前年の天皇賞・秋を制したメジロアサマ、さらにカミタカの3頭が出走を取り消した。予定の9頭立てからゲートインしたのはわずか6頭。トウメイは関西からの遠征で外厩にいたことで難を免れた。

 全馬横一線のスタートから、トウメイは5番手の位置取りを選択。2周目の1角で最後方にいたダイシンボルガードが、掛かり気味に先頭へ躍り出たが、冷静に後方外めで脚を温存した。勝負どころの4角から仕掛けると、直線では内で粘り込みを図るライバルたちを力強くねじ伏せて先頭へ。ゴール前は流す余裕を見せて激戦を制した。

 桜花賞2着、オークス3着とクラシックの栄冠にはあと一歩届かなかったが、6歳(現5歳)になって大きく飛躍。有馬記念の前には当時3200メートルだった天皇賞・秋を制しており、史上初めて牝馬で年度代表馬に選ばれた。デビュー前は、貧相な馬格で預託厩舎すら見つからない時期もあったが、豊富なスタミナと勝負根性を武器に現役最強馬まで上り詰めた。

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