オーシャンSに出走予定のスマートクラージュ(c)netkeiba.com
優勝馬には、高松宮記念への優先出走権が付与されるレースだが、過去10年でこのレースをステップに本番を制したのは12年カレンチャンのみ。2着も14年スノードラゴンと15年ハクサンムーン。同じスプリント戦でも全体的に前傾傾向になる中山競馬場と溜める脚が求められる中京競馬場では求められるものが異なるようだ。
◎スマートクラージュは淀短距離S優勝馬。中山コースは初めてだが、芝1200m戦は3勝クラス特別と、リステッド競走を連勝中。まだ底を見せていない。3代母サマンサトウショウはエプソムカップ優勝馬で、マイルチャンピオンシップ3着。一族にはスイープトウショウらが名を連ねる名門ファミリーだ。3歳2月のデビューで、途中に長い休養があるためにまだ伸びしろがありそうな5歳馬。初の中山コースは割引だが、先行力もあり早めに先頭たって押し切った前走の内容には豊かな将来性を感じさせた。
〇マリアズハートは全5勝中4勝を中山競馬場で記録しているコース巧者(ダート戦含む)。芝1200mに限れば7戦して3勝2着3回。唯一の大敗は内枠の馬が上位を占める中で大外枠を引いた昨年暮れのラピスラズリSのみ。この時も勝ち馬との着差は0.5秒と12着というイメージほど負けてはいない。逃げ馬が顔を揃えた今回は展開も味方してくれそうだ。
▲マイネルジェロディは北九州短距離S、そしてカーバンクルSの3着馬。逃げ、先行馬が総崩れとなった後者のレースでは先行馬の中では唯一、馬券圏内に踏ん張り、2着マリアズハートとはハナ差だった。今回と同じ中山競馬場芝1200mを舞台にした南総Sは前半3ハロン33.3で、半マイル通過44.4秒というハイラップ、これを楽に追走し余裕たっぷりに交わしたレースは印象に残る。
スプリント重賞3勝の快足△ビアンフェや、強烈な末脚を武器にする△ナランフレグ、休み明けをたたかれた△ジャンダルムも差はなく激しいレースが予想される。