【地方競馬】2021年南関2冠牝馬ケラススヴィアが引退 森泰斗騎手「無事に牧場へ帰すことができてホッとしている」

2022年04月12日 13:31

昨年の浦和桜花賞を制したケラススヴィア(撮影:高橋華代子)

 南関東牝馬二冠馬ケラススヴィア(浦和・小久保智厩舎)が引退し、現在は新天地で繁殖生活の準備に入っている。

 2020年9月に浦和競馬場からデビューしたケラススヴィアは、重賞・ローレル賞と東京2歳優駿牝馬を含む負けなしの4連勝。翌年の南関東牝馬クラシック戦線も、非凡なスピードからハナに立って押し切る内容で、牝馬一冠目の桜花賞(浦和・1600m)と牝馬二冠目の東京プリンセス賞(大井・1800m)を完勝した。

 史上2頭目となる南関東牝馬三冠馬の称号をかけて臨んだ関東オークス(川崎・2100m)も、果敢にハナに立って進めていったが、最後にウェルドーンから交わされ惜しくも2着。

 この世代の地方所属牝馬のトップホースとして、「NARグランプリ2021 3歳最優秀牝馬」を受賞し、全国各地の世代別牝馬重賞シリーズのグランダムジャパンでは2年連続で世代の頂点に立った。

 ラストランは3月24日に船橋競馬場で実施した京成盃グランドマイラーズ(12着)で、南関東で活躍する牡馬たちが参戦するなかでも果敢にハナに立って駆けていく姿は感動を呼んだ。

 主戦の森泰斗騎手は、「あのメンバーに入っても楽々ハナに行けるし、4コーナーまで先頭でしたからね。最後にこの馬らしい走りをしたなぁとは思います。頑張ったと思うし、何より無事に牧場へ帰すことができるのはすごくホッとしています」とコメント。

 その後は疲れを取ってから、4月上旬に北海道の天羽禮治牧場(日高町)に移動し、現在は繁殖生活に入る体作りをしているという。

 現役生活は440キロ前後の小柄な体ながらもスケールの大きな走りだったが、最初の頃は『脚の速い赤ちゃん』とも称されたほど、顔立ちがとても愛らしい馬だったことは最後まで変わらない。

 今度は母として、たくさんの夢を叶えて欲しいと思う。

【小久保調教師のコメント】
「デビューから2戦目で急に距離が延びた時のパフォーマンスを見て、これは違うなという感触はありました。すばらしいスピードから押し切る競馬で、クラシックの頃は本当に強かったと思います。もっと走れたなぁと反省すべきところも多くて悔しいので、これからに生かします。子供にうまく巡り合って、また自分が管理させて頂ければ」

【ケラススヴィア】
4歳牝馬
馬主:小田吉男様
生産:ヒサイファーム様(新ひだか町)
父:サウスヴィグラス、母:レディパッション、母父:ネオユニヴァース
13戦6勝2着2回3着1回

(取材・文:高橋華代子)

新着ニュース

ニュースを探す

ご意見・ご要望

本サービスはより高機能なサービスの提供なども検討しております。お気づきの点がございましたらお気軽に下記フォームよりご意見をお願いいたします。

  • ご意見をご記入ください。

頂いたご意見には必ずスタッフが目を通します。個々のご意見に回答できかねますことを予めご了承ください。
また、連続して複数送信されると、受付できないことがあります。予めご了承ください。