今週デビュー予定のフライヤートゥルー(写真手前、撮影:井内利彰)
今週の新潟芝1800mで行われる新馬戦は、3回新潟5日目。昨年もこの日に同じ番組が行われているが、それを勝ったのが、今年の皐月賞、日本ダービーで2着だったイクイノックス(美浦・木村哲也厩舎)。その3着が阪神JFを勝ったサークルオブライフ(美浦・国枝栄厩舎)なので、今年もクラシック戦線を賑わしてくれるような馬が出走してくるのかどうか、非常に注目度の高いレースではないだろうか。
【8月27日(土) 小倉芝2000m】
◆スカパラダイス(牡、父シルバーステート、母ファミリーソング、栗東・寺島良厩舎)
おじに中日新聞杯、エプソムC、小倉大賞典といった重賞を制したサンライズマックス(父ステイゴールド)がいる血統。本馬は北海道セプテンバーセール1歳にて、800万円で落札されている。
7月27日にゲート試験を合格して、そのまま在厩調整。「入厩してきた時は体高が低くて、もっと成長が必要かなと思っていましたが、ここ1ヶ月くらいでグンと成長しましたね。追い切りではすごく動けていますし、先週のCWでは6F79.4秒をマーク。ジョッキー(レースでも騎乗予定の今村聖奈騎手)が跨ったとはいえ、雨の影響を受けた重たい馬場でこれだけの時計が出れば十分でしょう」と寺島良調教師。追い切りではやればやるほど動くようになっており、初戦から楽しみ。
【8月27日(土) 新潟芝1800m】
◆フライヤートゥルー(牡、父リアルスティール、母アンジュエ、栗東・橋口慎介厩舎)
半姉に同厩舎で管理され、2021年レディスプレリュードなど交流重賞2勝を挙げているレーヌブランシュ(父クロフネ)がいる。橋口慎介調教師にきょうだいの似た部分、違う部分についてお聞きすると「タイプとしては全く違いますね。こちらはスラッとした体型」とのこと。
本馬は4月27日にゲート試験を合格して、その後は一旦放牧へ。7月下旬に栗東へ再入厩して、坂路とCWで追い切りを積み重ねている。「8月17日はCWで3頭併せ。先行していたとはいえ、行きっぷりが良かったですし、追ってからもしっかり脚を使えていました。心肺機能が優れていて、追い切り後の息の入りも良かったですよ」と同師。鞍上は坂井瑠星騎手が予定されている。
【8月27日(土) 新潟芝1600m(牝)】
◆キープアドーラブル(牡、父ロードカナロア、母キストゥリメンバー、栗東・寺島良厩舎)
母は現役時代に北米で7勝を挙げ、重賞も勝っている。半姉ベゼドランジュ(父ハーツクライ)は中京ダート1800mで未勝利を勝っている。本馬は2021年北海道セレクションセール1歳にて、4100万円で落札されている。
6月10日のゲート試験に合格した後、一旦放牧へ出て、7月下旬に栗東へ再入厩。8月4日、8月11日のCWでの追い切りには寺島良調教師自らが騎乗。「牝馬にしてはどっしりとした珍しいタイプ。いい背中をしていますし、追うごとに反応がどんどん良くなっています。まわりをしっかりと確認していくような慎重なところがあるので、初めての場所に行った時にどんな反応を見せるかといったところはありますが、調教は順調に進んでいます」と同師。鞍上は岩田康誠騎手が予定されている。
なお、状況によっては、同日の新潟芝1800mに回ることも視野に入っている。
【8月28日(日) 小倉芝1800m(牝)】
◆エールミネルヴァ(牝、父アメリカンペイトリオット、母ソルダテッサ、栗東・橋口慎介厩舎)
おばには2008年桜花賞を制したレジネッタ(父フレンチデピュティ)がいる血統。日本で活躍する父アメリカンペイトリオットの産駒には、今年のスプリングSを勝ったビーアストニッシド(栗東・飯田雄三厩舎)や今夏に札幌ダート1700mで1勝クラス、2勝クラスを連勝したクレスコジョケツ(栗東・木原一良厩舎)など、いろんなタイプがいるが「この馬は完全に芝向きですね」と橋口慎介調教師。
8月17日のCW追い切りでは、前記フライヤートゥルーの内、3頭併せの真ん中。「少し前進気勢の強いところがあって、力んで走っているように見えましたが、(レースでも騎乗予定の)松若風馬騎手が『抑えが利かないほどではなかった』とのこと。すごく柔らかい走りをしますし、初戦から楽しみですね」と同師。
(取材・文:井内利彰)