◆毎日王冠追い切り(5日)
秋の東京開幕の重賞へ向けての追い切りが5日、東西トレセンで行われた。毎日王冠(9日、1着馬に天皇賞・秋の優先出走権)には、G1馬4頭が集結。西山智昭、吉村達の東西本紙予想担当が動きや調整過程などから勝負気配を
ジャッジ。夏競馬をひと叩きした
ダノンザキッドを「状態◎」に据えた。
西山(以下、西)「注目は4頭のG1馬。栗東で動きが目立った馬はいましたか」
吉村(以下、吉)「
ダノンザキッドは良かった。馬なりで持ったままだったけど、鞍上と呼吸がピタリと合って最後まで力強かった。安田隆調教師は『55秒台くらいの予定だった』と。先月29日の1週前が坂路50秒4の自己ベスト&一番時計。思惑通りに仕上がったのでは」
西「この後のG1戦線を見据えると、ここできっちり賞金を加算しておきたい立場。勝負気配を感じます」
吉「
サリオスはどうだった?」
西「美浦・Wコースの併せ馬は道中のリズムもよく、直線は馬なりでも迫力を感じる伸び脚。調教後に近くで見た馬体の張りもよく見えました。4か月ぶりでも力を出せると思います」
吉「安田記念で『やっぱり強い』と再認識させられた。ダノン同様、府中の1800メートルで勝っている点も強調材料やね」
西「昨年は安田記念から秋初戦がマイルCS。G1の前に一戦挟めるローテーションを組めるのも順調にいっているからこそでしょう」
吉「DPコースで追った
ポタジェもなかなかの推進力だった。先々週と先週がCWコースの3頭併せ。その2週に続けて騎乗した吉田隼騎手は『しぶとく食らいつく走り。
ポタジェらしさが戻ってきました』と。宝塚記念は暑さにまいっていたようだけど、もう影響はなさそう」
西「北海道での放牧で、リフレッシュできたようですね。最後に、
レイパパレは?」
吉「ラストをしっかり伸ばして素早い加速。活気があった。十分に合格点が与えられる」
西「甲乙つけがたいですね。軸馬が決まるまで、まだまだ悩みそうです」
【
ダノンザキッド余力十分12秒5】
ダノンザキッドは栗東・坂路を単走で55秒8―12秒5。加速を続けながら、制御の利いた走りで最後まで余力十分に駆けた。安田隆調教師は「先週にしっかりやっていますし、輸送もありますからね」と、予定通りの内容に納得の笑みを浮かべた。
今回は東京スポーツ杯2歳Sを楽勝した舞台。トレーナーは「いいイメージ。あとはレースで手前をしっかり替えれば」とホープフルS以来の勝利に手応えを示した。
【
サリオス「
ギアチェンジもスムーズ」】
サリオスは美浦・Wコースで
ルコルセール(4歳3勝クラス)に3馬身先行。最後まで馬なりのまま5ハロン66秒2―11秒5の好時計で併入した。堀調教師は「涼しくなったので併せ馬でしっかり追った。折り合い、
ギアチェンジもスムーズで良かった」と合格点を与えた。
安田記念3着以来の秋初戦。「春よりもいい状態」と堀師は、一昨年の毎日王冠以来となる白星を意識していた。
【
ポタジェ「次につながる走りを」】
ポタジェは前を行く僚馬2頭を見ながら、栗東・DPコースを単走馬なりで6ハロン82秒8―11秒6。「行きっぷりが良く、休み明けの中では状態はいい部類ですね」と花田助手は好感触を伝えた。
大阪杯V後の宝塚記念は暑さで力を出し切れずの11着。「放牧からフレッシュな状態で戻ってきてくれた。他馬より重い58キロですが、次につながる走りを期待しています」と力を込めた。
【
レイパパレ「重厚感が出ている」】
レイパパレはいつも通り栗東で坂路2本。73秒5のキャンターで体をほぐした後、単走強めで54秒1―12秒9。
スピード感に加え、春より力強さが増した印象だ。
「ボリュームのある筋肉をまとえている。エネルギーが満タンで重厚感が出ている」と高野調教師。前走のヴィクトリアMは発馬後に大きくつまずいたことが響いて12着も、金鯱賞、大阪杯で2着と力の衰えはない。