一気に気温が下がった今週後半。まさに秋本番到来という感じになってきた。開催も今週からは「東京&阪神」の秋モード突入へ。そして今週は月曜日までの3日開催となっている。重賞は3つ。まず土曜日に2歳GIII・サウジアラビアRC(東京芝1600m)。日曜日にGII・毎日王冠(東京芝1800m)。そして月曜日にGII・京都大賞典(阪神芝2400m)となっている。
毎週、過去10年データを使って馬券のヒントを見つけるこのコーナー。今週はこのなかでも日曜日に行われるGII・毎日王冠の狙いどころを探っていこう。
1.1番人気馬は「1着か馬券圏外か」の極端な成績?
いつものように、まずは上位人気馬のチェックから。
毎日王冠では過去10年、1番人気馬は7勝。勝率70パーセントというのは、重賞のなかでもかなり高い数字といっていい。しかし成績は【7-0-0-3】。つまり1着にならなければ、2.3着もならないという極端な成績なのだ。ちなみに1番人気馬は昨年まで4連勝中。すべて関東馬という共通点がある。今年もサリオスが1番人気になりそうだが、関東馬連勝となるのだろうか。
ちなみに1番人気になりながらも、圏外に負けてしまった3頭(17年ソウルスターリング・14年ワールドエース・13年ショウナンマイティ)の共通点は見いだせない。しかし、うち2頭ワールドエースとショウナンマイティは「5歳・牡馬・関西馬・前走安田記念」という共通点あり。「関西馬」というキーワードを除けば、ほかはサリオスにも共通する事項。その点は同馬にとっては不安材料になっている。
参考までに、2番人気馬成績は【0-2-0-8】、3番人気馬は【1-2-1-6】で、あまり良いとは言えない。これ以外の勝ち鞍2勝は「4番人気と8番人気」の勝利だった。
2.10頭立てでも過去には大波乱の前例あり?
1番人気馬が7勝もしているのならば、毎日王冠は「堅いレース」といっていいのだろう。
さらに過去5年、1番人気が馬券になっていない年も含めて、上位3頭はすべて6番人気以内の組み合わせ決着なのだ。配当もさほど荒れてはいない。
堅い理由のひとつには、毎日王冠が毎年10頭ちょっとと少なめの頭数立てが多いからかもしれない。反面、16年11番人気ヒストリカル3着(12頭立て)・14年11番人気サンレイレーザー2着(15頭立て)・12年12番人気ジャスタウェイ2着(16頭立て)と、やや頭数が多くなると下位人気も台頭しているのだ。
ただ今年はおそらく10頭立て。近年でいえば3年前の19年は1〜3番人気でのガチガチな決着もあったので、配当的には期待できないのかも…。
しかしさらに遡り、12年前の2010年には同じ10頭立てながら「6番・8番・9番人気」という下位人気での決着もある。そのときの3連単配当はなんと30万円超え。さて今年はどちらに転ぶのか?
3.関東馬に限定材料あり? 有利な前走ローテとは?
1番人気馬が強いレースということはわかった。しかもここ3年は「1番人気の3歳馬」が3連勝していた。しかし今年は3歳勢不在となってしまった。
ただこうなると関東馬優勢という傾向にも「?マーク」が点灯する。じつは過去10年、勝っている関東馬5頭というのは「3歳牡馬か4歳牝馬」に限られるからだ。勝っている4歳牝馬は18年アエロリット、16年ルージュバックの2頭。今年、人気になりそうなサリオスも、このレース勝った2年前は3歳時。5歳となってしまった今年は、勝てる関東馬としては前例のない1頭となってしまうのである。
ちなみにレイパパレのような「前走・ヴィクトリアマイル」組も馬券圏内の前例なし。ダノンザキッドの「前走・関屋記念」組は2着が2回ある。反対に好走傾向強いローテとしては「前走・エプソムC1着馬」が挙げられる。過去10年で2回、16年ルージュバック・15年エイシンヒカリはこのパターンだ。
今年の前走エプソムC1着ノースブリッジは4歳。この馬は関東馬だが、過去の2頭に共通する馬齢となっている。上位人気になりそうなGI馬たちにそれぞれ不安材料があるのなら、今年の狙いはこの馬になるのかも?
(netkeiba編集部)