◆第70回府中牝馬S・G2(10月15日、東京・芝1800メートル、良)
第70回府中牝馬S・G2は15日、東京競馬場で行われ、12番人気の伏兵、
イズジョーノキセキが、1番人気の白毛馬、
ソダシをゴール前で頭差退け、初の重賞タイトルを手にした。管理する石坂調教師も交流重賞を3勝しているが、中央のタイトルは初。馬主の泉一郎氏も初重賞勝利と初ものづくしの大金星となった。
岩田康の好プレーだった。後方の内に控えて迎えた直線。
ソダシが進路を探して内に切り込んでくると迷わず後ろを取った。ラ
イバルが内の
アンドヴァラナウトとの競り合いで後続を引き離し、外にスペースができると
ゴーサイン。ラストは上がり3ハロン33秒3で、悲鳴にも似た歓声を切り裂いて抑え込んだ。「
ソダシについていけば道が開けると思った。この馬の末脚だから勝てた」。地方・兵庫時代の自身の勝負服と同じ、泉氏の「白、青襷(たすき)」の勝負服でのこん身の騎乗だった。
21戦目で手にしたタイトル。今年6月の垂水Sでオープンに上がったばかりだが、陣営は最大目標のエリザベス女王杯・G1(11月13日、阪神)に向け始動戦にここを選んだ。石坂調教師は「早くからこのローテと思っていた。馬体面、精神的にも成長してくれた。うちのスタッフなら取れると思っていた」とチームで手にした勲章を喜んだ。
昨年のエ女王杯は5着だったが、今年はこの1着で優先出走権も獲得し「問題なければ行きます」と同師。遅咲きの
エピファネイア産駒が、堂々と次の舞台に乗り込む。(松末 守司)
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イズジョーノキセキ 父
エピファネイア、母キングダンサー(父キングカメハメハ)。栗東・石坂公一厩舎所属の牝5歳。北海道新ひだか町・沖田哲夫氏の生産。通算21戦5勝。総獲得賞金は1億6224万2000円。重賞初勝利。馬主は泉一郎氏。