【G1ドキュメント・栗東=10日】エリザベス女王杯が近づくと毎年、競馬担当になったころを思い出す。寺下が入社1年目だった09年の当レースは◎
クィーンスプマンテ(11番人気)が逃げ切り、3連単154万円馬券的中。“逃げ推し”するきっかけになったレースだ。
今年のメンバーなら
ローザノワールの単騎逃げが濃厚。追い切り翌日の木曜朝、栗東トレセンで西園正師を直撃すると開口一番「矢作厩舎の
パンサラッサみたいに
ビュンビュン行って、どこまでやれるか」と頼もしい“逃げ宣言”が飛び出した。前走の府中牝馬S(15着)はゲートでつまずき、先手を取るのに苦労する展開。「もっとやれる馬なんだけど落鉄もしていたから」と敗因を振り返った。
春のヴィクトリアMは18番人気ながら4着に逃げ粘った。「勝ったと思ったよ。あの時は震えたね」。逃げ馬に人気はいらない。前走の敗戦でマークが薄くなれば再びアッと言わせる可能性もある。6歳牝馬ながら今が
ピークと思える状態。最終追いの坂路でマークしたラスト1F11秒9は自己最速タイだった。「中間の動きは素晴らしい。今までで一番じゃないか」と仕上がりに太鼓判を押す。
登録していた同型の
シャムロックヒルが補欠の1番手で福島記念へ回ったのも追い風になる。こちらは、この日のCWコースで最終追い切りを行い、6F85秒8〜1F11秒5で軽快に駆け抜けた。佐々木師は「凄く状態はいいね。52キロで気分良く行ければ一発があっていい」と不敵な笑み。日曜の2重賞は“原点回帰”の逃げ推しで勝負したい。