今週デビュー予定のハーパー(写真右、撮影:井内利彰)
先週までは今年の2歳新馬戦における、厩舎別成績を振り返っていたが、今週は種牡馬にフューチャー。今年、11月13日までの新馬戦で最多勝を挙げているのが、16勝でエピファネイア。出走頭数が76頭で単勝率21.1%だから、素晴らしい数字といってよいだろう。
これに次ぐのが、11勝でハーツクライ。その次が9勝でドゥラメンテとジャスタウェイが続いている。ジャスタウェイ産駒は先週の東京スポーツ杯2歳Sでガストリック(美浦・上原博之厩舎)が重賞制覇。セブンマジシャン(栗東・高野友和厩舎)は新馬、黄菊賞を連勝するなど、新馬戦だけでなく、その次のステップでも結果を出しているだけに注目の世代となるかも知れない。
【11月26日(土) 阪神ダート1800m】
◆タガノチェイス(牡、父ドレフォン、母タガノバトラ、栗東・奥村豊厩舎)
母系に2017年フィリーズレビューで重賞を制したカラクレナイ(父ローエングリン)がいる血統。半姉には奥村豊厩舎で管理され、ダート1800mで2勝を挙げているタガノカンデラ(父アイルハヴアナザー)がいる。
本馬について「立派な馬体をしているので、追い切りでの動きはどうかなと思うところもありましたが、思ったよりも動けていますね。姉がダートで結果を出しているように、この馬も瞬発力というよりは持続力が武器になりそうなタイプ」と奥村豊調教師。鞍上は斎藤新騎手が予定されている。
【11月26日(土) 阪神芝1600m】
◆アスクビートルズ(牡、父Frankel、母ストレイトガール、栗東・藤原英昭厩舎)
母は現役時代に藤原英昭厩舎で管理されて、ヴィクトリアマイル連覇、スプリンターズSとGIを3勝している。日本で活躍する父産駒は芝とダートでGIを制したモズアスコットなど。
本馬は10月6日にゲート試験を合格。その後はCWと坂路を併用して追い切りを進めているが、先週17日の坂路では古馬1勝クラスを追走して僅かに遅れたようだが、4F51.7秒。ラストは11.9秒と素晴らしい脚力を見せている。11月10日のCWでも6F83.0秒、1F11.6秒と動いており、母は叶えることができなかった新馬勝ちを意識できる状態にある。鞍上は岩田望来騎手が予定されている。
【11月27日(日) 阪神芝2000m】
◆ハーパー(牝、父ハーツクライ、母セレスタ、栗東・友道康夫厩舎)
ドゥラメンテ産駒の半姉ヴァレーデラルナ(栗東・藤原英昭厩舎)は、先日のJBCレディスクラシックでダートGIを制覇。本馬は2020年セレクトセール当歳にて、8600万円で落札されている。
栗東でのゲート試験合格後に一旦放牧へ出た後、10月19日にノーザンFしがらきから再入厩。その翌週から週中にはトラックでの追い切りを順調に消化しており、先週16日はCWでレースでも騎乗予定の福永祐一騎手が跨り、2歳未勝利を追走。楽に追いついて突き放して先着。ラストは11.4秒と伸びており「牝馬にしては馬格もあるし、力強い走りをします」と友道康夫調教師。
◆セレクティオ(牡、父ジャスタウェイ、母キーポケット、栗東・橋口慎介厩舎)
母系には2019年アイビスSDで2着という重賞実績があるカッパツハッチ(父キンシャサノキセキ)がいる血統で、本馬は2021年北海道セレクションセールにて、750万円で落札されている。
11月9日のCWで2歳同士の3頭併せで6F81.9秒の時計をマークしたことで、追い切りの動きには注目していたが、先週17日のCWが6F77.8秒。この日のCWでの一番時計をマークということになった。3頭併せだったが、もちろん最先着。テンから飛ばすラップになったにも関わらず、最後の直線が11.6秒、11.9秒を踏んだあたりに身体能力の高さを感じるだけに、実戦でどんな走りを見せてくれるか注目だ。
(取材・文:井内利彰)