コース巧者のアリストテレス(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規
今週末も引き続き、中山・中京・小倉の3場開催。
重賞は日曜日にGII戦がふたつ。2月のGIフェブラリーSに向けての前哨戦ともいえる東海S(GII・中京・ダート1800m)と、古馬中距離戦線の重要レースのAJCC(GII・中山・芝2200m)が行われる。
過去10年データを使ってヒントを見つけるこのコーナー。今週は芝の重賞AJCCをピックアップ。いつものように過去10年データから馬券のヒントを探っていこう。
1.1番人気は信用できるのか?
1番人気馬が連勝していた20年&21年から一転、昨年は1番人気だったルメール鞍上のオーソクレースが6着に沈み、勝ったのは3番人気のキングオブコージだった。2着は11番人気のマイネルファンロンが入って馬連は3万円台。3連単は72万円台と高配当となった。
過去10年データから見ると1番人気馬はわずか2勝。成績は【2・3・0・5】と馬券圏内としては五分五分の成績。1番人気馬は半分の確率で圏外になると心しておいたほうが良さそうだ。
一方、1番人気馬が馬券外になっている5回(13・14・15・16・22年)は、かわりに2番人気、もしくは3番人気が馬券圏内になっている。3番人気までの馬が揃って飛ぶことはないレース。しかし1〜3番人気だけで決まるケースもここ10年ではない。
さらに「8番人気以下」の人気薄馬が絡むケースも多くはない。
過去10年の馬券圏内30頭中、8番人気以下の馬が馬券になっているのはわずか3頭(14年2着サクラアルディート11番人気・18年3着マイネルミラノ8番人気・22年2着マイネルファンロン11番人気)だけ。どうやらAJCCは、人気上位と中位の組み合わせで高配当の馬券を見つけるレースといえそうだ。
2.荒れるか荒れないかの見極めは頭数にある?
今年は14頭立てになりそうなAJCC。
過去も、頭数立てとしては「10頭ちょっと」になることが多かった。そのわりに配当はわりと跳ねるイメージもある。
過去10年、馬連で万馬券が出ているのが「16頭立てだった14 年」と「17頭立てだった15年」だったので、荒れる原因は「多頭数」にあるとも思ったが、昨年は「14頭立て」ながら馬連は万馬券となった。今年はどちらに転ぶかは判断しづらい。とにかく傾向が掴みづらいレースといえそうだ。
3.穴馬は中山芝2200mコース巧者を探れ!
中山芝2200mを舞台に行われる重賞というのはこのAJCCと、秋に行われるオールカマー、そして3歳のセントライト記念の3つしかない。しかもすべてGII戦である。
ちなみに3勝クラス戦は、1月に行われる迎春Sと、3月の湾岸Sの2つだけ。オープン戦の同距離コース戦は設定されていない。
ご存知のとおり、中山芝2200mというのはわりとトリッキーといわれるコース。ほかのコースで好走してきた馬でもまさかの取りこぼしがあったりするわけだ。
裏返せば、中山芝2200mが得意な馬は再好走の可能性が高い。つまりコース適性は大事なのだ。過去にはウインキートスが「迎春S2着⇒湾岸S1着⇒オールカマー2着」と好走した例もある。
今回の出走メンバーでは、やはり昨年セントライト記念1着のガイアフォースが人気になりそうだが、ほかには近走で好走あるという馬がいない。それでもアリストテレスは21年同レース1着あり。ほかにも21年の迎春S1着ブラックマジックが同コースで2戦2勝。バビットも20年のセントライト記念1着がある。穴狙いなら、このコース巧者たちとなるのかもしれない。
(netkeiba編集部)