鋭い末脚で接戦を制したナムラクレア(中)(左は2着ファストフォース、右は3着マッドクール、カメラ・高橋 由二)
◆第28回
シルクロードS・G3(1月29日、中京・芝1200メートル、良)
中京競馬場で行われた
シルクロードS・G3(芝1200メートル)は2番人気の
ナムラクレア(浜中)が高松宮記念・G1(3月26日)と同じ舞台で重賞3勝目を挙げた。
電光石火の切れ味だった。
ナムラクレアがメンバー最速、唯一の32秒台となる32秒9の末脚で逃げ粘る
マッドクールをとらえ、迫る
ファストフォースも封じた。春の大目標・高松宮記念(3月26日、中京)と同じ舞台で、56・5キロの斤量を克服して重賞3勝目。「次のG1と同じ舞台で結果を出せたのは自信になる」と浜中は手応えを深めた。
満点回答で負の連鎖を断ち切った。内の2番枠から発馬を決め、中団の好位置で脚をためた。直線で前が開くと、その
パワーを爆発させて矢のように伸びた。昨年の北九州記念では直線で前が壁になり脚を余して3着。内有利の馬場状態だったスプリンターズSでは、内の馬に張られ4角で馬群の外を回されて5着。消化不良のレースが続いたが、今年初戦を価値ある勝利で飾った。「ちょっとしびれましたね」とほほ笑んだ長谷川調教師。昨秋までは右前脚の爪に不安があり、坂路主体で調整。だが、爪の状態がよくなったため、最後のひと伸びを求めて、この中間はCWコースも併用。「この一回だけで正解とは言えないが、間違いではなかった」とトレーナーもうなずいた。
中京開催の過去2年を上回る1分7秒3の好時計をマーク。0・5キロ斤量が軽くなる本番では、さらなるハイパフォーマンスが期待できる。「G1にしっかり挑戦できる」とトレーナー。ス
プリント界の頂点へ、機は熟した。(戸田 和彦)
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ナムラクレア 父
ミッキーアイル、母サンクイーン2(父ストームキャット)。栗東・長谷川浩大厩舎所属の牝4歳。北海道浦河町・谷川牧場の生産。通算11戦4勝。総獲得賞金は2億3645万円。重賞3勝目。主な勝ち鞍は21年小倉2歳S、22年函館スプリントS(ともにG3)。馬主は奈村睦弘氏。