【東西ドキュメント・美浦＝1日】鈴木悠にとって初の追い切り取材。ベテラン記者たちが双眼鏡で調教を見ながら素早くメモを取っている。見よう見まねで挑戦するが…。メモを取っている間に見なければいけない馬の調教が終了していた。

　「不器用なんですかね？」と先輩記者に相談していると「うちにも不器用なのが…」と大和田師。紹介してくれたのは、きさらぎ賞に出走するロゼルだ。「前向きさに欠けるので、さばきやすい少頭数は大歓迎」と意欲の中京遠征。初勝利に4戦を要したが「1戦ごとに内容が良化している。在厩調整でみっちり教育して、最近は自分からハミを取れるようになった」と師は成長を実感する。その言葉通り、最終追いでは抜群の動きを披露。Wコースでラスト1Fは自己最速となる12秒0を計時した。「今までで一番の状態」と師はうなる。「うまく流れに乗って長く脚を使える展開になったらチャンスはある」。ロゼルとは植物名で花や果実をハーブティーにして楽しむことができる。懐が温まる1杯となるか。