競馬史に残る快挙 地方から中央を制したメイセイオペラ/99年フェブラリーS・プレイバック

2023年02月18日 16:20

99年のフェブラリーSを制したメイセイオペラ(撮影:下野雄規)

 2月19日(日)東京競馬場で行われるフェブラリーS(4歳上・GI・ダ1600m)。今から24年前、一頭の地方馬が歴史の扉を開いた。その馬の名はメイセイオペラ。現在に至るまで唯一の「地方から中央を制した馬」だ。

 メイセイオペラは父グランドオペラ、母テラミス、母の父タクラマカンという血統の牡馬で、現役時代は水沢の佐々木修一厩舎に所属した。

 96年7月にデビューを迎えると同年秋から頭角を現し、97年8月にかけて重賞2勝を含む9連勝。その後、頭蓋骨骨折という、一時は競走馬生命さえも危ぶまれる大怪我を負い成績を落とすが、年末の桐花賞を制して岩手No.1の座に返り咲く。

 98年シーズンは船橋のアブクマポーロと幾多の名勝負を演じ、2頭でダート路線をけん引。しかし2000mの距離ではアブクマポーロに先着を許しており、暮れの東京大賞典でも2馬身半差で敗れた。ならば、自らの能力を最も発揮できるマイルの舞台へ――。陣営はフェブラリーSへの出走に踏み切った。

■岩手から来た栗毛の英雄

 6歳から14歳まで幅広い世代が顔を揃えた99年のフェブラリーS。重賞4勝馬ワシントンカラーや、平安Sを制したオースミジェット、桜花賞馬のキョウエイマーチらが出走する中、メイセイオペラは2番人気に支持される。

 ゲートが開くとキョウエイマーチが勢いよく飛び出し、メイセイオペラは外目の5番手という絶好位。半マイル通過が48.1というミドルペースを楽に追走し、直線は一頭だけ違う手応えで坂を駆け上がった。後ろからタイキシャーロックやワシントンカラーが伸びてきたが遥か後方。最後は2馬身という決定的な着差を付けて、ゴールを駆け抜けた。

 フェブラリーSの様子は地元・岩手県でも生中継されていた。水沢競馬場の馬券売り場の一角、小さな場内モニターの前に集ったファンからは拍手、大歓声が沸き起こってお祭り騒ぎ。一方の東京競馬場では「イ・サ・オ! イ・サ・オ!」の大合唱が鳴り止まなかった。

 レース後、菅原勲騎手は「夢のようです」と語っていたが、それは地方競馬に関わる関係者やファン、全ての人が同じ気持ちだったはずだ。「挑戦無くして成功無し」。メイセイオペラの果敢なチャレンジは、歴史的快挙と感動的なシーンを残して幕を閉じた。

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