今週からは東京競馬場から中山へと開催が移り、「中山・阪神・小倉」の3場開催となる。

　重賞は日曜日に二つ。中山競馬場では、芝の中距離GII・中山記念(芝1800m)、そして阪神競馬場では芝の短距離戦GIII・阪急杯(芝1400m)が開催される。

　どちらも興味深いメンバー構成で馬券的にも面白そうだ。今週は中山記念をピックアップ。いつものように過去10年データから馬券の参考になるヒントを探っていこう。

1. 1番人気より2・3番人気のほうが信用度高？

　まずは1番人気馬の成績チェックから。

　中山記念では過去10年で1番人気馬は3勝。しかし成績は【3・0・0・7】で、2着と3着がなし。勝つか馬券圏外かの極端な成績となっている。

　1番人気馬がこなかった7回は、すべてかわりに2番人気か3番人気馬のどちらかが馬券圏内になっている。一番成績良いのは2番人気で、成績は【4・2・2・2】。3番人気馬も【2・1・2・5】で、こちらも馬券圏内キープ率は1番人気より上である。

　昨年もこの傾向を指摘したが、まさに2・4・3番人気での決着だった。今年も1番人気軽視で2・3番人気重視の選択もありかも？

2. 9番人気以降は一度も馬券になっていない？

　先ほども指摘したが、中山記念は上位人気馬がそれなりに強い。過去10年で、1〜3番人気馬が9勝もしている。唯一の例外は、5番人気ウインブライトが勝った19年だけ。というわけで単勝配当はいつも堅めの傾向にある。

　しかも馬券圏内になっている馬もすべて8番人気以内。9番人気以降の馬たちはただの1回も馬券圏内にさえなれていない。

　理由としては、このレースが少頭数になりがちということもある。9頭立て1回、10頭立て1回、11頭立てが4回もあるので、人気薄馬は出番がなかったということかも。とはいえ、多頭数だった13・14・21・22年でも傾向は同じだった。今年は14頭とやや多めだが、人気薄馬同志だけで馬券を組むというのはやはりリスクは大きい。

3.再好走傾向が強すぎ？

　過去に好走経験がある馬が、再び走るリピート傾向が強いのが中山記念。

　古くは4年の間をあけて再び勝ったローエングリン(03&07年1着、04年3着)。連勝していたのは、バランスオブゲーム(03年2着、05&06年1着)、カンパニー(08&09年1着)、ウインブライト(18&19年1着)など。このほかにも2年連続2着だったラッキーライラック(19&20年2着)などもいる。

　今年は昨年の上位3頭は不在。かわりに一昨年の勝馬ヒシイグアスがいる。この馬は一応チェックしておきたい。

4. 3枠強い？

　枠番による有利不利でいえば、近4年は3枠が連続連対中。

　今年はイルーシヴパンサーとドーブネが入ったがこれも要注意になる。

　一方、不振なのは2枠。過去10年で2枠は3着が1度だけしかない。今年はソロフレーズが入ってしまった。

　さらに関東馬優勢傾向もあり。これまで10年で8勝が関東馬だ。特に美浦・堀厩舎が3勝(16年ドゥラメンテ・17年ネオリアリズム・21年ヒシイグアス)もしている。今年も関東馬はかなり強力なラインナップとなっている。

5. 1着馬の「前走」には共通点あり？

　昨年も指摘した1着馬の前走傾向。

　じつは中山記念で1着になる馬には共通する傾向がある。それは前走が「中山金杯」もしくは「GIレース」ということ。なぜかそれ以外の前走ローテの馬は勝っていない。昨年も「前走・有馬記念」のパンサラッサが勝利でこの傾向は継続中である。

　今年は「前走・中山金杯」の1着ラーグルフのみ。一発ならこれか。そして「前走GI」ならば、ダノンザキッド、スタニングローズ、ヒシイグアス、シュネルマイスター、モズベッロがいる。果たして、勝馬はこのなかにいるのだろうか？

(netkeiba編集部)