サウジカップを制したパンサラッサ。鞍上の吉田豊はガッツポーズで雄たけび(AP)
パンサラッサと吉田豊は劇的な同着Vを飾った昨年のドバイターフに続き海外G12勝目。再び歴史的Vへと導いた鞍上は「二枚腰を使う馬なので信じて乗った。よく頑張ってくれた。まさか世界最高賞金のレースを勝てるとは。本当にうれしい」。デビュー30年目のベテランは喜びと驚き、そして興奮を隠せない表情で愛馬の激走を称えた。
吉田豊は94年に大久保洋吉厩舎からデビュー。G15勝
メジロドーベルとのコンビで名をはせた。以降もコンスタントに白星を重ねたが、17年に落馬で頸椎(けいつい)骨折の重傷。1年以上の長期休養を余儀なくされた。
19年3月に復帰以降は成績が低迷したが、最高の相棒と巡り合い、再びスポッ
トライトの当たるポジションへと返り咲いた。「忘れられない思い出になった。
パンサラッサに乗ることができて良かった。騎手になって本当に良かった」。天国と地獄を味わった苦労人は、しみじみと喜びをかみしめた。
◇吉田 豊(よしだ・ゆたか)1975年(昭50)4月19日生まれ、茨城県出身の47歳。94年3月6日の中山2Rでデビュー。同5R
エリモハヤブサで初勝利。JRA通算1万7373戦1284勝、うち重賞36勝。JRA騎手の隼人は実弟。