◆第25回阪神スプリングジャンプ・JG2(3月11日、阪神競馬場・障害直線芝3900メートル、良)
23年最初の障害重賞、第25回阪神スプリングJ・JG2は11日、阪神競馬場で行われ、10番人気の伏兵
ジェミニキングが重賞初制覇で「ポスト・
オジュウチョウサン」に名乗りを上げた。騎乗した小野寺祐太騎手=栗東・フリー=は12日が33歳の誕生日。デビュー15年目の重賞初Vで前祝いとなった。
レース後の服部調教師は開口一番、「落馬しないか心配だった」と真顔。障害キャリアは12戦目だが、過去に3度も落馬での競走中止があったからだ。この日は終始ミスのない飛越。最終4コーナーで開いたインを見逃さなかった小野寺の判断も光った。「すごいメンバーを相手に勝てた。次は自信を持って挑める」。中山グランドJ(4月15日、中山)に向け、確かな手応えをつかんだ。
09年に美浦でデビューした小野寺は昨年から栗東に移籍し、地道に重ねた努力が開花。「ここまで厳しい道のりだった。2回目、3回目と勝てるように頑張ります」と喜びをかみしめた。11年根岸S(
セイクリムズン)以来12年ぶりのJRA重賞勝ちとなったトレーナーも「(長く)やっていればいろんなことがあるね」と驚く成長ぶり。新たな障害王者の座を視界にとらえた。(山下 優)
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ジェミニキング 父
トランセンド、母ピシーズクイーン(父アグネスデジタル)。栗東・服部利之厩舎所属のセン7歳。北海道日高町・高山牧場の生産。通算30戦8勝(うち障害12戦3勝、地方9戦5勝)。総獲得賞金8162万9000円(うち障害7984万9000円、地方178万円)。重賞初勝利。馬主は三宅勝俊氏。