【赤レンガ記念予想】王者不在で混戦模様の一戦 この好機をものにするのはどの馬か

2023年06月21日 18:00

王者不在で好機到来のドテライヤツ(c)netkeiba.com、撮影:田中哲実

 道営記念へと続く古馬中長距離の重賞戦線は、5月初旬のコスモバルク記念で幕を開けた。結果はシルトプレの圧勝であり、新世代のエースとして、堂々名乗りを上げた。今回も出走していれば問答無用の本命馬となったはずだが、その名を全国に知らしめるべく、異なる目標レースへ向けて調整を続けており、日程を考慮して赤レンガ記念はパスすることとなった。当然のことながら、戦況は俄に混戦模様を呈し始めたわけである。

 状況に照らして考えれば、コスモバルク記念で2着だったドテライヤツにとって、強敵が抜けたことで好機が到来したことになる。昨シーズン後半から頭角を表した遅咲きの馬で、追い込み脚質ながら、今シーズンも抜群の安定感を誇っている。ここへ向けた叩き台を挟んだ臨戦過程も好感で、2000mへの距離延長も歓迎のタイプだ。

 そこに待ったをかけるのが、冬場の南関東遠征から帰ってきたサンビュートである。言わずとしれた昨年の道営記念馬で、ジョッキーとしての引退レースだった五十嵐冬樹現調教師と魅せた、執念の走りは記憶に新しい。南関東では思うような結果を残せなかったようだが、道営記念と同じ舞台のここは、他馬に譲るわけにいかないだろう。

 実績も鑑み、上記2頭は重く評価するべき馬である。ただ個人的には、連勝で波に乗るハセノパイロにも面白みを感じている。好走と凡走を繰り返していた昨シーズンのことを考えると、この連勝からは、よほどの状態の良さが窺い知れる。東京ダービー制覇は遠い過去のものになりつつあるが、久々の重賞Vとなれば、真の復活劇と言えるだろう。その下地は既に整っている。

 もちろん、他にも複数の馬が争覇圏内である。エンリルにとって2000mは本質的に少し長い印象だが、ペース次第では対応が可能だろう。南関東から転入2戦目の上積みが見込めるスコルピウス、吉原騎手鞍上での門別勝利経験があるゼンノジャスタも、一発を秘める存在である。

(文:競馬ブック・板垣祐介)

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