銀メダルに終わったスルーセブンシーズ(撮影・石井剣太郎)
「宝塚記念・G1」(25日、阪神)
上半期の総決算となるドリームレースを制したのは、単勝1・3倍の断然人気に推された
イクイノックス。ファン投票で歴代最多の21万6379票を獲得したスターホースが、“世界ランク1位”の走りを見せつけ、G1・4連勝を飾るとともに史上21頭目となるJRA獲得賞金10億円突破を果たした。
大金星まであと一歩だった。最後方から運んだ10番人気の
スルーセブンシーズは、メンバー最速の上がり3F34秒6の末脚で“世界一の馬”と首差の2着。直線で前がふさがり、進路を内に切り替える不運もあったが、池添は検量室に引き揚げてくると「ちくしょう!」と天を仰いだ。
「悔しい。返し馬で具合の良さを感じ、ゲート裏でもいい雰囲気だったから、一発あると思っていた。4コーナーの手応えは
イクイノックスよりも良かったし、直線もさばけると思ったけど…。首差なので悔いが残ります」と自らを責める。父が、自身が騎乗してG1・2勝を挙げた
ドリームジャーニーだったこともあり、「ジャーニーの子どもで勝ちたかった」と唇をかんだ。
尾関師は悔しさをにじませつつ、「跳びが大きいので直線のロスが響いたかも。ただ、力をつけていますし、栗東滞在も結果が出て良かった」と力走をたたえた。また、登録している凱旋門賞・G1(10月1日、仏パリロンシャン)については、「まずは状態を見て。(挑戦の)可能性は残るレースになったかなと思います」と説明。世界一の馬を最も追い詰めた牝馬の動向から、目が離せない。