今週デビュー予定のメリオーレム(写真左、8月17日撮影:井内利彰)
2021年8月28日の新潟芝1800m、新馬戦。ここを勝ったのがイクイノックス(美浦・木村哲也厩舎)。その後の活躍は競馬ファンなら誰もが知るところだが、このレースで負けた馬たちも凄い。
3着だったサークルオブライフ(美浦・国枝栄厩舎)はその後に未勝利を勝つと、アルテミスSを制し、阪神JFでGIを制覇。6着だったウィルソンテソーロ(美浦・小手川準厩舎)はダートに転戦してから7戦6勝。うち2勝が交流重賞で秋の活躍も楽しみな馬。というわけで、今年のこの番組からはどんな馬が出てくるだろうか。
【8月26日(土) 新潟芝1800m】
◆メリオーレム(牡、父シュヴァルグラン、母メリオーラ、栗東・友道康夫厩舎)
父シュヴァルグランは今年の新種牡馬。現役時代は友道康夫厩舎で管理されただけに、父との比較が気になるところ。「父とはタイプが違って、筋肉質な体型。2歳としてはすごく筋肉量が多いと思います。そんなこともあってか、牧場でも距離はマイルくらいがいいじゃないかという話もあったんですが、入厩してからは調教も含めて、もう少し長い距離も走れそうということで、今回の1800mデビューを選択しました」と友道康夫調教師。
CWでの1週前追い切りは新潟2歳Sに出走予定のルージュスタニングらを相手にした3頭併せ。ルージュスタニングには遅れたものの、古馬2勝クラスとは同入で6F81.7秒をマーク。3F35.4秒、1F11.2秒と後半のラップは素晴らしく、レースでどんな走りを見せてくれるか、非常に楽しみな状態に仕上がってきた。
なお、鞍上は石川裕紀人騎手が予定されている。
◆ヴェローチェエロ(牡、父リアルスティール、母イプスウィッチ、栗東・須貝尚介厩舎)
2021年セレクトセール当歳にて、6000万円(税抜き)で落札されたリアルスティール産駒。半姉オックスリップ(父サトノダイヤモンド)は中山芝1800mの新馬戦を勝っている。
本馬は7月20日に栗東でゲート試験を合格し、そのまま在厩して追い切りを積んでいる。8月10日のCWでは時計も併せ馬の内容も地味だったが、8月17日のCWでは新潟2歳Sに出走予定のヒヒーン相手に互角の動き。古馬3勝クラスには大きく先着する内容で、6F78.8秒とこれまでの追い切りからは想像できないくらい、格段に良くなっている。追い切り本数自体はたっぷりこなしているだけに、実戦でも楽しみなタイプだろう。
【8月26日(土) 新潟芝1600m】
◆ニシノメロディ(牝、父ダイワメジャー、母セータコローナ、栗東・北出成人厩舎)
2022年セレクトセール1歳にて、3400万円(税抜き)で落札されたダイワメジャー産駒。おじに2022年すみれSを勝ったポッドボレット(父ジャスタウェイ)がいる血統。
本馬は7月14日に栗東でゲート試験を合格し、その後も在厩して、坂路とCWを併用して追い切りを進めている。8月9日の坂路では4F53.6秒をマークして、8月16日のCWでは6F83.7秒をマークして、追いかけた古馬1勝クラスに同入。時計としては特筆するほどではないものの、追われるごとに動きがしっかりしてきているという点でまだ上昇してくる余地もありそうだ。
【8月27日(日) 新潟芝1600m】
◆アタラヨ(牝、父Justify、母マジックファウンテン、栗東・松永幹夫厩舎)
日本で活躍するJustify産駒は未勝利から3連勝で青竜Sを制したユティタム(栗東・須貝尚介厩舎)やダート1800mで2戦2勝のオーサムリザルト(栗東・池江泰寿厩舎)がいる。
本馬は4月21日にゲート試験に合格。その後、牧場へ戻って調整。「成長を促すための放牧でしたが、徐々に良くなってきましたね。追い切りの動きも目立って速い時計ではありませんが、順調に追い切りも消化できています」と松永幹夫調教師。なお、鞍上は石橋脩騎手が予定されている。
(取材・文:井内利彰)