ボードを掲げる優勝した岩田望(中央)。右は3位の武豊、左から2人目は2位のキング。左端はゲストプレゼンターの高木菜那
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ワールドオールスタージョッキーズ」(27日、札幌)
初出場の岩田望来騎手(23)=栗東・フリー=が、最終戦での見事な逆転劇でシリーズ初優勝を果たした。わずか1ポイント差で2位と涙をのんだのは、初日トップ通過だった
レイチェル・キング騎手(33)=イギリス。また、史上初の連覇を狙った武豊騎手(54)=栗東・フリー=は3位に終わった。JRA選抜と世界選抜(外国人&地方)による団体対抗戦は、JRA選抜が15年の初開催から7回連続で勝利した。
23歳の若武者が、初出場で世界の腕達者を相手に大仕事をやってのけた。「できれば1着を取りたかったけど、優勝できて良かった。世界のトップジョッキーと乗れて楽しかったし、充実していました」と岩田望。計4戦で勝ち星こそなかったが、堅実にポイントを重ね、見事に表彰台のてっぺんに立った。
1位から3位までが2ポイント差というまれにみる大激戦だった。「普段通りの競馬を意識しました」。第1戦で8番人気の伏兵
ガリレイをたたき合いの末に3着に押し上げ、初日は3位タイ。迎えた2日目の最終第4戦。14番人気の
ウインルーアを好位追走から3着に粘らせて15ポイントをゲットし、逆転に成功。05年に前身のWSJSを制した父・康誠との“親子優勝”となった。
19年にデビュー。年間勝利数も右肩上がりで、今やリーディング上位の常連だ。今年も既に78勝で、キャリアハイ(22年103勝)更新も射程圏に入る。表彰式で両手を高々と上げ、喜びを爆発させた岩田望は「大舞台でも活躍できるように頑張りたい」と決意を新たにした。重賞Vは手にしているものの、JRA・G1のトップゴールはまだ見ぬ景色。この秋、WASJのタイトルを手土産に、さらなる飛躍を目指す。