復調ムードを漂わせたタイトルホルダー(右)=撮影・三好信也
「
ジャパンC・G1」(26日、東京)
ステイヤーなのに背中のバネより肩の回転の柔らかさの方が目を引く。その独特のパワフルな走りが
タイトルホルダーに戻ってきた。22日、横山和を背に美浦Wで
メジャークロニクル(4歳2勝クラス)と併せ馬。僚馬を2馬身前に見る形で進み、4角を抜けたところから滑らかに加速する。直線は内から引っ張りきりの手応えで並び掛け、馬体を合わせてゴールラインを通過した。
タイムは6F83秒0-37秒0-11秒4。栗田師は「先週からかなり良くなってきたのではと思います。心身の
バランスを見ると、(勝った昨年の)宝塚記念の状態に近づいてきているという実感があります。近づけないと
ジャパンCでは結果は残せない」と前を向く。最高の状態を知っているからこそ、満点とは言えないのだろう。だが、目指すべき形ははっきりしている。
主戦はもっと率直で、もっと貪欲だった。「反応は鋭くなっていますが、もうひとつはじけても、というのが正直なところではありますね」。この馬にはまだ上がある-そう確信を口にできるのも、直近の上り調子を直に感じているからだ。
今春の天皇賞はレース中のハ行でまさかの競走中止。「春はああいう結果になったので、自分たちもショックを受けましたが、オールカマー(2着)で馬の底力は見せられた。今度は帰厩してから、この馬の
スタイルで調整させてもらいました」とトレーナー。ジョッキーも「秋のG1戦線に戻ってきてくれて、僕も楽しみにしている」と気持ちは前向きだ。かつては頂点を極めたG1・3勝馬が、間違いなく復調軌道に乗ってきた。