鋭い伸びを誇るセラフィックコール(手前)。Mデムーロは精神面の成長も認めた
◆チャンピオンズC追い切り(29日・栗東トレセン)
第24回チャンピオンズC・G1(12月3日、中京)の出走馬が29日、東西トレセンで最終追い切りを消化した。G1初挑戦の3歳馬
セラフィックコールは栗東・CWコースで併せ馬。デビュー全5戦で上がり最速をマークする鋭い伸び脚で頭差先着し、レース史上2頭目の無敗戴冠(たいかん)を視界にとらえた。
追えばどこまでも突き抜けそうな雰囲気だ。
セラフィックコールは栗東・CWコースで
スマートアイ(3歳2勝クラス)を3馬身半追走。直線で内に入ると、持ったままで頭差先着した。時計は5ハロン69秒7―11秒6。中3週と間隔は詰まっているが、活気にあふれ、脚の回転も素早かった。見守った寺島調教師は「少し入りが遅くなったけど、3ハロンからはいつも通りしっかりと伸びてくれた。ここまでは予定通り」と安どの表情だ。
デビューから無傷の5連勝でみやこSを制覇。直線は一気の伸びで勝ち切る強さを見せつけているが、道中の手応えは決していいとは言えず、見る者をハラハラさせる面もある。「無敗だけど、きれいなレースで勝ってきたわけではない。3歳馬だし、いろいろ経験をしていかないと」と指揮官が話すように、乗り越えなければならない壁は多い。それでも530キロ超の雄大な馬体から繰り出される末脚には、目を見張る力強さがある。
手綱を執ったMデムーロは「前走時はピリピリしていたが、落ち着いて走っていた。大人になってきた感じがする」と、精神面の成長を何よりも評価した。初コンビとなった2走前の追い切りで初めて乗った時に、能力の高さを感じたという。「まだ負けてない馬だから、プレッシャーがすごいよ」と吐露しつつも、「相手は強くなるけど自信を持っていきたい。2年ぶりに(自身も)G1を勝てるように頑張ります」と意気込んだ。
デビューから無敗で頂点に立てば、19年
クリソベリルに次ぐ2頭目。他のレースを含めても、古馬混合G1では史上4頭目の偉業になる。「無敗を意識しすぎず、普段通りにレースに向かえれば」と、自身も開業初のJRA・G1制覇がかかる寺島師。連勝を続けるダート界の新たな超特急が、初のG1も
ノンストップで通過する。(山下 優)