フォーエバーヤング世代の東京ダービー馬が復活だ!! 第15回みやこS・G3(9日、京都=1着馬にチャンピオンズCの優先出走権)で、
ラムジェットが1年5か月ぶりの勝利を目指す。韓国遠征帰りの一戦へ、来春、定年を迎える佐々木晶三調教師=栗東=は手応え十分だ。
輝きを取り戻す。
ラムジェットはBCクラシックで日本馬初制覇の歴史的快挙を演じた
フォーエバーヤングや、JBCクラシックを勝った
ミッキーファイト、レディスクラシック連覇を決めた
アンモシエラと同じ4歳世代。昨年の東京ダービーを7馬身差で圧勝し、実績も残してきた。その後は未勝利だが、佐々木調教師は前を向く。「(0秒3差の3着だった昨年の東京大賞典で)一度は
フォーエバーヤングの背中が見えた馬だからね。ここで結果を出して、またG1でいいレースができればと思う」と力を込めた。
兆しはある。前走のコリアCは現地の検疫や調教時間の関係で満足な調教が積めず、ほぼ運動のみの調整で挑んだ。指揮官は「(検疫で)2週間くらい何もできんかった。それでも3着に来るからすごいよね」。地力を再認識したからこそ、中間は確かな勝負気配が漂う。1週前追い切りはダートの栗東・Eコースで行った。佐々木調教師は「毛づやがツルツルで状態はいい。ス
トライドが大きく伸びてくると体が進む」と笑顔。調子がいい時ほどス
トライドが大きくなる特徴を踏まえ、チップで擦り傷ができやすいCWコースには入れなかった。
乗り手、調整もひと工夫。小牧(レースは三浦)が騎乗し、障害練習も行った。「(小牧)加矢太は特別。馬を動かすのも上手で、右(脚)を使えない馬が使えるようになる」と高木助手。体をしっかりと使わせ、より進化したフォームを目指している。
かつてダービー馬の
キズナを管理した佐々木師は来春、定年引退を迎える。最後の秋。ここを勝てばチャンピオンズC・G1(12月7日、中京)だけではなく、大きな可能性が広がる。「まだまだ良くなると思う。最後の最後にもう一回、サウジへ行きたいね」。最後の夢へ、淀から一気に加速する。(松ケ下 純平)