2度目の有馬記念制覇となったオルフェーヴル(13年)
「有馬記念・G1」(24日、中山)
イブ決戦に個性的なメンバーが集結。うち9頭の父はいずれも
グランプリを制した名馬だった。全5回で、父の輝かしい蹄跡を振り返る。
◇ ◇
3冠馬のV締めだった。11年の
ホワイトクリスマス決戦を制したのは3歳馬
オルフェーヴル。前年ダービー馬
エイシンフラッシュ、ドバイワールドC覇者
ヴィクトワールピサ、G16勝の最強牝馬
ブエナビスタなど強豪古馬がそろうなか、1番人気の支持に応え、6連勝を飾った。
ゲートで後手に回って後方から。しかも流れはスロー。池添が「これまでで一番きつい競馬でした」と振り返るほど、試練のレースだった。それでも3冠馬は逆境をはね返す。持ったままの手応えで直線に向くと一気に加速し、力でねじ伏せた。「強かったです。すごい。それしか出て来ない」。主戦の言葉が世代交代を物語った。
その2年後-。2年連続で凱旋門賞2着に敗れた栗毛の怪物が、再びこの舞台に立った。道中は折り合いに専念して、直線入り口で早くも先頭。そこからは独壇場だ。アッと言う間に後続を置き去りにして、8馬身差の圧勝劇を演じた。
見事なラストランに“オルフェコール”がこだまする。右手を挙げて声援に応えた池添は誇らしげだった。「3コーナーで上がって行くところで勝ったと思いました。僕は
オルフェーヴルが世界で一番強いと思います」。新馬戦でジョッキーを振り落とし、12年阪神大賞典では大逸走した暴れん坊は、最後まで強烈なインパクトを残してターフを去った。