「桜花賞・G1」(4月7日、阪神)
母系が積み重ねてきた歴史を眺めると、思わず肩入れしたくなる。すっかり初老となった私の胸を熱くさせたのが、フィリーズR3着で桜切符を手にした
セシリエプラージュだ。
3代母タックスヘイブンは、94年デイリー杯クイーンC3着で“女傑”と呼ばれた
ヒシアマゾンと好戦を演じた実力馬。祖母ルミナスハーバーも06年阪神JFで
ウオッカ、
アストンマーチャンの3着に好走。ともに桜花賞出走はかなわなかったものの、2歳時に2勝を挙げて仕上がりの早さを証明した。
代を重ねて、母アットザシーサイドが16年フィリーズR2着でついに桜切符を手にし、本番でも
ジュエラー、
シンハライトの3着に健闘。重賞タイトルには手が届かなかったが、アグネスタキオン-キングカメハメハの血が加わった牝系の確かな進化を示した。
父は新種牡馬
ブリックスアンドモルタル。初年度からサウジアラビアRCを制した
ゴンバデカーブースを輩出して注目を集めたが、その一方で、兵庫ジュニアGPを制した
イーグルノワールや、
ブルーバードCの覇者
アンモシエラといったダートの活躍馬も出ている。ジャイアンツ
コーズウェイ産駒の特徴である万能性、そして意外性がある点は面白い。母系の底力×父系の意外性がうまくマッチ。本番でも大駆けを期待したくなる。