現地時間16日、香港・シャティン競馬場で行われた香港ダービー(4歳、香LG1・芝2000m)は、F.コーツィー騎手騎乗のヘレンマスコット Helene Mascot(牡4、香・A.クルーズ厩舎)が、中団追走から直線半ばで先頭に立ち、内から襲いかかるジャックポットディライト Jackpot Delightとの叩き合いをクビ差制し優勝した。勝ちタイムは2分01秒3(良)。さらに4馬身差の3着にグリーンバーディー Green Birdieが入った。シンコウフォレスト産駒のダオダオ Dao Daoは7着に敗れ、香港国際セリ市で歴代最高額の記録を持つディンシス Danesisは出走直前に枠内で暴れて取り消しとなった。
勝ったヘレンマスコットは、父パントレセレブル、母Razana(その父Kahyasi)という血統の愛国産馬。06年12月に英・D.エルスワース調教師の元から英・リングフィールド競馬場でデビュー。2戦目で初勝利を挙げ、昨年の英ダービー(英G1)でオーソライズド Authorizedの6着に入るなど、イギリスではSalford Millの名で8戦2勝の成績を残した。今年1月、移籍初戦の香港クラシックマイル(香LG1)を制し、前走の香港ダービートライアル(香LG2)はグリーンバーディーの2着に敗れていた。通算成績11戦4勝(重賞2勝)。
鞍上のF.コーツィー騎手、管理するA.クルーズ調教師とも、ラッキーオーナーズ Lucky Ownersで勝った04年以来2度目の香港ダービー制覇。馬主の父親も93年にヘレンスター Helene Starで勝っており、馬主としての親子制覇となった。
【クルーズ調教師のコメント】
「移籍してわずか2、3ヶ月でG1レースを2つも勝ててうれしい。今後はもちろんクイーンエリザベス2世C(香G1)を目指すが、その後は中長距離路線を歩むことになるだろう。父がパントレセレブル、母の父がKahyasiという血統背景からもクラシックディスタンスが合うと思う」