7月27日の新潟ジャンプS・JG3(新潟競馬場・障害芝3250メートル)でホッコーメヴィウス(セン8歳、栗東・清水久詞厩舎、父ダイワメジャー)に騎乗する小牧加矢太騎手＝栗東・音無秀孝厩舎＝が重賞初制覇を狙っている。

　重賞3勝の実績馬と初コンビだが、先週から2週連続で追い切りに騎乗。栗東・CWコースで行われた7月24日の最終追い切りは6ハロン86秒0―11秒9をマークし、前走で落馬した影響を感じさせない軽快なフットワークで折り合いもスムーズだった。「あまり気持ちを入れすぎない方がいいと思うので」と、予定通りの内容に納得の表情を浮かべた。

　何物にも代えがたい刺激をもらった。来月から古巣の兵庫競馬に復帰する父・小牧太騎手は7月21日の小倉12Rでモズアカボスに騎乗し勝利。JRA騎手としてのラストレースで有終の美を飾った。加矢太騎手は福島1Rの騎乗後、小倉に直行してセレモニーに出席。「引退ではないですけど、JRAを卒業ということで。周りの温かさから、すごく父は愛されていたんだなと思います」。胴上げで宙に舞った父とは23日に食事。親子の間に特別な会話はなかった。だが、24日も栗東で調教をつけた父は「新潟に行こうかなと思ったけど…家で応援しておきます」と画面越しにエールを送る。

　今回で重賞は20回目の挑戦。これまで23年京都ジャンプS・JG3の2着(アサクサゲンキ)が最高だ。「減量がとれてから、しっかり乗れているので。僕自身も普段通り乗れれば」と自信をのぞかせる一方で、平常心も忘れない。「うまく乗った人が勝つ。気合を入れすぎず、冷静にいけたらと思います」。重賞初Vで成長した姿を届け、父を園田へ送り出す。(山本　理貴)