クラシック最終ラウンド「第85回菊花賞」の最終追い切りが16日、東西トレセンで行われた。西の
トライアル・神戸新聞杯を制した
メイショウタバルは、主戦の浜中を背に栗東CWコースで6F80秒9の好時計をマーク。折り合い面で難しいところを露呈する追い切りとなったが、状態面に不安はない。人馬一体の走りで逃走Vを目指す。美浦では
コスモキュランダがWコース併せ馬で貫禄の先着。昨年の京都2歳S8着以来の関西遠征で悲願のG1制覇を狙う。
 オブラートに包むことはなかった。浜中の本音口調が逆に彼の中での揺るぎない自信を感じさせた。
 神戸新聞杯覇者
メイショウタバルの最終追いはCWコース。が、あろうことか掛かってしまった。単走ながら、6F80秒9〜ラスト1F11秒3の時計は速い。
 「もう少しサラッとやりたかったんですが、
テンションが高く、折り合いが付かなかった。思ったより速くなってしまった。先週は前にリードホースを置いて後ろで折り合いも付いて、今までの中で一番、我慢できていたんですが…」
 10日の1週前追い切りを
リライトしよう。鞍上は同じ浜中。CWコースで僚馬
ヤブサメ(3歳1勝クラス)を1馬身先行させ、落ち着いた姿で追いかけた。直線は内から瞬時に反応。3馬身ちぎって捨て、明らかに成長した姿を見せた。
 最終追いではいまだ、スイッチの入れどころという難しさをうかがわせたが、前走内容こそ雄弁。重賞2勝目を挙げた神戸新聞杯が確かな成長を感じさせる。これならばと浜中は腕ぶす。「前走は上手に競馬ができて結果も得ることができた。一番は精神的に
リラックスして心に余裕があったこと」と勝因を振り返る。
 春は皐月賞で17着惨敗、ダービーでは出走取り消しという憂き目に遭いながら秋の復帰戦ではきっちり結果を出した。あふれ出すポテンシャル。ちょっとだけ掛かった最終追いなど度外視できる、笑い飛ばせるということだ。鞍上は力強い言葉で締めた。
 「魅力的な大好きな馬。折り合いがテーマになりますが、この馬のリズムで気分を害さないように走れば、通用する力はある」
 涙をのんだ春の分も燃える3冠最終戦。舞台は父
ゴールドシップが12年、真っ先に駆け抜けた淀の3000メートル。浜中は09年スリーロールス以来、15年ぶり2度目の菊花賞Vに不動の自信を引っさげ堂々と乗り込む。
 ≪神戸新聞杯勝ち馬 近3回“4の倍数”年にV≫神戸新聞杯勝ち馬の菊花賞制覇は1954年
ダイナナホウシユウ以降、13頭いる。
メイショウタバルの父
ゴールドシップは12年に神戸新聞杯Vから菊花賞も制覇。さらに16年
サトノダイヤモンド、20年
コントレイルと“4の倍数”の年だった近3回は神戸新聞杯勝ち馬が菊花賞も制している。その流れで24年の勝ち馬
メイショウタバルもG1制覇を決めるか。