「有馬記念・G1」(22日、中山)
今週の「温故血新」は有馬記念特別版。幼い頃から血統書を読みあさってきた松浦孝司記者(美浦担当)が出走メンバーを精査した。注目はBCターフ2着の
ローシャムパーク。18年覇者
ブラストワンピースとの共通点などを探りながら、今回の台風の目と断言した。
過去10年のデータからも、有馬記念は“リピーター”が非常に多いレースだ。そう考えると、昨年連対を果たした
ドウデュース(父ハーツクライ×母の父ヴィンディケイション)と
スターズオンアース(父
ドゥラメンテ×母の父スマートス
トライク)は、血統面からも注目すべき存在である。
前記2頭に新興勢力がどう絡んでくるか。まず目を引くのが、ほぼ同じ血統構成で“いとこ”に当たる
アーバンシックと
レガレイラだ。父
スワーヴリチャードは17年に初参戦して4着。05年の覇者ハーツクライとの父子制覇はかなわなかったものの、首位争いを演じて存在感を示した。いとことあって、ともに3代母が06年覇者ディープインパクトの母として知られる
ウインドインハーヘアであることは見逃せない。
グランプリを制するだけのポテンシャルは十分に備わっている。
そして、今年のダービー馬
ダノンデサイルは、宝塚記念の覇者
ブローザホーンと同じ
エピファネイア産駒。
スワーヴリチャードと同様に、父は14年に5着に敗れて02&03年の覇者シンボリクリスエスとの父子制覇を果たせなかったが、種牡馬として21年覇者
エフフォーリアを輩出した。母の父コングラッツは今年、
フォーエバーヤング&
ブラウンラチェットきょうだいにも現れ、ブルードメアサイアーとして日本競馬への適性の高さを示した。トレンド配合がVを手にする可能性はある。
イチ推しは、前走のBCターフで2着に好走した
ローシャムパーク。父
ハービンジャー×母の父キングカメハメハは、18年覇者
ブラストワンピースと同配合。単純に母系の力強さを考えれば、4代母ダイナカール-3代母エアグルーヴから来る“底力”はこちらの方が断然上だ。近親に12年3着の
ルーラーシップや、昨年種牡馬として馬券圏内の2、3着馬を輩出した
ドゥラメンテがいる点も強調材料。今年の台風の目となる。