桜を植樹する(左から)藤岡佑、藤岡師ら(撮影・石井剣太郎)
昨年4月10日に亡くなった元騎手の藤岡康太さんを偲び、桜の植樹式が13日、阪神競馬場で行われた。日本騎手クラブ会長の武豊、藤岡佑、和田竜、川田、浜中、幸、松山、池添、荻野琢、北村友、黒岩、高杉、田中健、藤懸の14人の騎手をはじめ、父の藤岡調教師、阪神馬主協会の木村会長など、多くの関係者が出席した。
黙とうや植樹セレモニー、献花が行われ、騎手クラブを代表して武豊会長が「本日は、多くの方々のご協力をいただき、ここに藤岡康太くんの石碑、そして桜を植樹していただき、本当にありがとうございます。もうすぐ、彼が亡くなって1年になりますが、一緒に乗れたことは我々は大切な思い出ですし、こうやって形として彼を感じることができる場所をつくっていただいて、競馬関係者、ファンの方、一人でも多くの方に彼のことを思い出していただけたらと思います。我々は、いい競馬をやっていくことが康太のためだと思って、今後もやっていきたいと思っています。このような素晴らしい機会を頂きありがとうございました」とあいさつした。
同期の浜中は「石碑や桜の花を植樹してもらい、ファンの皆さまや競馬関係者が康太のことを思い出してもらえる、いい機会を与えてもらいました。事故からまだ1年しかたっていないという気持ちと、もう1年なのかという気持ち。彼のことを思って、安全かつ、楽しい競馬を提供できるように、という思いで頑張っていきます。桜が咲いている頃に事故がありました。次に阪神で競馬する頃は桜が咲いていますし、桜を見ると当時のことも思い出すと思いますけど、見守ってくれているんじゃないかなと思います」と話した。
競馬ファンに『騎手 藤岡康太』をいつまでも忘れないでもらいたいという思いから、日本騎手クラブとJRA阪神競馬場が実施。植樹した木は、藤岡康太さんが好きだった“桃色”の花を咲かせる桜で、なかでも大輪の花を咲かせ、濃紅色の花びらを持つ『
ベニユタカ』が選定された。阪神競馬場の馬頭観音像横に植樹された桜は4月中旬に花を咲かせる予定。