献花する(左から)川田将雅、和田竜二、藤岡佑介、藤岡健一調教師、武豊(撮影・石井剣太郎)
昨年4月10日に亡くなった元騎手の藤岡康太さんを偲び、桜の植樹式が13日、阪神競馬場で行われた。日本騎手クラブ会長の武豊、藤岡佑、和田竜、川田、浜中、幸、松山、池添、荻野琢、北村友、黒岩、高杉、田中健、藤懸の14人の騎手をはじめ、父の藤岡調教師、阪神馬主協会の木村会長など、多くの関係者が出席した。
兄の藤岡佑は「このような機会を用意していただいたJRA初め、騎手クラブ、阪神競馬場、関係者の皆さまに感謝の気持ちを伝えたいです。再来週から阪神が
リニューアルして、たくさんのお客さんに来て頂いて、桜と石碑を見て、康太のことを思い出して感じて欲しいです。この11カ月、早かったような遅かったような複雑な感情はありますが、そのなかでもいいレースをしてお客さんに競馬を楽しんでもらえるようにすることが、騎手の本望というか、康太も仕事を一生懸命していたので、気持ちを引き継いで同じ気持ちでやっていきたいと思います」とコメント。
父の藤岡師は「武豊騎手クラブ会長、吉田理事長、阪神競馬場場長、みなさんで本当に立派な石碑と桜の木を植樹していただき、たくさんの方が康太のことを忘れずにいただけると家族としてありがたく思います。みんなの目に触れるところに作って頂き、家族代表として感謝したいと思います。“桃色”が好きだったのでね。色んな思いがあるんですけど、阪神競馬場で逝っちゃったっていうのも…。35年、短い人生でしたけど、すごく本人は充実して、楽しくやれたと思うので、それだけは良かったなと。ひとつの救いではあります。まだまだ残された家族にとっては落ち着かない部分はあるんですけど、ゆっくりゆっくりではありますが、普通の生活に戻っています。康太のことは忘れないけど、みなさんも少しでも思い出していただければありがたいです」と話した。
競馬ファンに『騎手 藤岡康太』をいつまでも忘れないでもらいたいという思いから、日本騎手クラブとJRA阪神競馬場が実施。植樹した木は、藤岡康太さんが好きだった“桃色”の花を咲かせる桜で、なかでも大輪の花を咲かせ、濃紅色の花びらを持つ『
ベニユタカ』が選定された。阪神競馬場の馬頭観音像横に植樹された桜は4月中旬に花を咲かせる予定。