今年こそ、世界一になる――。世界最高の1着賞金1000万ドル(約15億2000万円)を誇るG1「第6回サウジカップ」(日本時間23日午前2時40分、キングアブドゥルアジーズ競馬場)の最終追い切りが19日、行われた。日本が誇る
フォーエバーヤング(牡4=矢作)は坂井瑠星(27)を背にダートコースで躍動感あふれる走り。米国のケンタッキーダービー、BCクラシックで3着に敗れた悔しさを糧に、海外G1初制覇を狙う。当レースはJRAで馬券発売が行われる。
世界のYAHAGIが再び
ビッグタイトルに挑む。世界から注目される日本の
フォーエバーヤングは、昨年のサウジダービーに続く2度目の遠征。主戦の坂井を背に舞台となるキングアブドゥルアジーズ競馬場のダートコースに登場した。外ラチ沿いをダク(速歩=はやあし)で1周してから追い切りへ。昨年のようにダクの途中で自我を出して突然、
スピードを上げることもない。馬自身が調教の意図を理解しているかのように、落ち着いた様子でギアを切り替え、僚馬
ミストレス(サウジダービー出走)を先導役に
スピードを上げていく。
直線で内に進路を取り、気合をつけられるも決して無理することなく、単走のままフィニッシュ。迫力満点に先着とはならなかったが、鞍上は「リードホースが少し速くなった分、ちゃんとした併せ馬の形にはならなかったですが、前に馬がいてくれたことで最後まで集中して走れていました。動き自体は良かったです」と涼しい表情で振り返った。
国内では5戦5勝と負け知らず。昨年はサウジ、UAEの中東でダービー馬の称号を得た。米国のケンタッキーダービーとBCクラシックは3着に敗れたが、世界トップクラスの実力を証明。異国を渡り歩き、メンタルで動じることはない。坂井は「(現地でも)堂々としていますし、何も心配がない状態」と全幅の信頼を寄せる。
矢作厩舎にとっては23年
パンサラッサに続く勝利を目指す。今年は米国2戦で先着を許した同世代の
シエラレオーネ、昨年のドバイワールドC覇者
ローレルリバーなど有力馬の回避が相次いだ。鞍上は「戦うのを楽しみにしていました。いなくなったのは残念ですが、他の強い日本馬や、香港にも
ロマンチックウォリアーがいます」とラ
イバルに敬意を払った上で「この馬の力を出せれば勝てるんじゃないかと思います」と自信をにじませた。
サウジカップからドバイワールドC(4月5日、メイダン)、そして秋には米国
デルマーでリベンジ――。まずは世界最高賞金額を誇るビッグレースを制し、最強の座を襲名する。