21年の高松宮記念を制したダノンスマッシュ(c)netkeiba
4月末からホッカイドウ競馬で、6月には中央競馬でも新馬戦がスタートする。昨年はサートゥルナーリア産駒が27勝、ナダル産駒がダートで次々に白星を挙げて話題を集めた。新種牡馬の活躍は2歳戦線での見どころのひとつだが、今年デビューを迎える注目の産駒といえば。国内外の短距離重賞で8勝を挙げたダノンスマッシュの産駒には、史上初の高松宮記念&香港スプリントの父仔3代制覇を期待したい。
ダノンスマッシュは父ロードカナロア、母スピニングワイルドキャット、母の父ハードスパンの血統。日本馬にとって“鬼門”とされていた香港短距離界を制圧するなど、稀代の名スプリンターとうたわれた父の初年度産駒にあたる。デビューからしばらくは1400m〜マイルを走ったが、3歳夏から短距離路線にシフト。同年秋の京阪杯を皮切りにつぎつぎとタイトルをつかみ、20年暮れの香港スプリントで待望のビッグタイトルを手にした。帰国初戦の21年高松宮記念では、同レース3度目の挑戦でついに白星。生涯で重賞8勝を飾り、日本短距離界で主役を張った。通算成績は26戦11勝(うち重賞8勝)。
引退後はブリーダーズ・スタリオン・ステーションで種牡馬入り。サンデーサイレンスの血を持たないため配合幅が広く、そのうえ父の種付け料が1500万円の当時にダノンスマッシュは220万円に設定されたこともあり、生産地では数多くの繁殖牝馬を集めた。初年度は146頭に配合。うち106頭が血統登録されている。
最後に注目の2歳馬を2頭紹介しよう。「キルシュワッサーの2023」は、母が1400m以下で4勝を挙げたスプリンターで、半兄に22年高松宮記念3着のキルロードがいるスピード特化の血統。「カインドリーの2023」は、おじに皐月賞馬のエポカドーロ、芝・ダ兼用のキングストンボーイがいる良血。ほかにも楽しみな産駒が目白押し。短距離界を背負って立つ快足馬の出現を心待ちにしたい。