天皇賞(春)で大健闘をみせたカレンブーケドール(写真は2021年天皇賞(秋)時、撮影:橋本健)
今年の天皇賞(春)(4歳上・GI・芝3200m)は6年ぶりに牝馬の参戦がない。とはいえ、春の盾はもともと牝馬にとって超難関といえるレース。これまでに勝ったのは53年のレダの1頭のみ。84年のグレード制導入以降に限ると、延べ31頭が出走して未勝利となっている。ここでは近年の天皇賞(春)に挑戦した牝馬を振り返りたい。
84年以降の天皇賞(春)において、最も人気を集めた牝馬は05年のマカイビーディーヴァだ。豪G1・メルボルンCを03年から05年まで3連覇した豪州の名牝。この年は自国でG1を2連勝してからの来日だった。前哨戦のエイプリルSでは7着に敗れていたが、本番ではリンカーンに次ぐ支持を集める。しかしながらレースでは後方から伸び切れず、スズカマンボから0秒6差の7着に敗退。日本での戴冠は果たせなかった。
21年にはカレンブーケドールが歴史の扉を開けた。好位から渋太く踏ん張り、ワールドプレミアとディープボンドには屈したものの、アリストテレスをアタマ差抑えて3着を確保。これはグレード制導入後の天皇賞(春)では唯一の牝馬による馬券圏内確保となっている。
他にも注目を集めた馬はいた。10年にはメイショウベルーガが参戦。牡馬相手のGIIで好勝負を続けていたこともあって穴人気を集めたが、2秒0差の10着に大敗した。そして昨年は良血のサリエラが参戦。武豊騎手とのタッグも話題となり、3番人気に推されたが、12着に沈んでいる。
次に天皇賞(春)で牝馬が勝つのはいつになるのか。その日を心待ちにしたい。