◆第30回NHKマイルC・G1(5月11日、東京競馬場・芝1600メートル)
第30回NHKマイルC・G1は11日、東京競馬場の芝1600メートルで行われる。1週間を通してさまざまな角度から深掘りする「考察」は、今春の全G1で馬券プレゼントに成功する角田晨記者が登場。2歳マイル王の
アドマイヤズームを主役と認め、大崩れは考えられないとしたが、実は春のG1では一度も1番人気に◎を打っていない。どんな結論にたどり着くか要注目だ。
ニュージーランドTの
イミグラントソングを筆頭に、ファルコンSの
ヤンキーバローズ、チャーチルダウンズCの
ランスオブカオスと
トライアルの覇者たちに、別路線の
サトノカルナバル…。気になるラ
イバルはいるが、今年も中心は
アドマイヤズームで揺るぎない。
昨年は
ジャンタルマンタルが2馬身半差の快勝で2歳王者の威厳を示した。過去10年で朝日杯FSの勝ち馬がNHKマイルCに出走したのは4回だが、19年の
アドマイヤマーズと昨年の2回勝利。やはり同じマイルだけあって相性はいいのだろう。
アドマイヤズームの朝日杯FSはスローペースの恩恵を受けた面もあるが、2番手から上がり最速となる3ハロン33秒6の脚を使う快勝。2馬身半差の2着に離した
ミュージアムマイルが皐月賞を制したことを考えれば、その力が世代トップであることははっきりしている。
前走のニュージーランドTは2着と不覚を取ったものの、道中が緩まない締まったレースを早めに仕掛けて首差の惜敗。最後はもう一度伸びて3着馬を1馬身1/4離しており、力は示した。
アドマイヤマーズも
ジャンタルマンタルも、朝日杯FS後に敗戦を挟んでからNHKマイルCを制覇。評価を下げるのは早計だ。
鞍上の川田は22年の
ダノンスコーピオン、そして昨年と当レースを2勝。東京芝マイルの上級条件はめっぽう強く、オープン以上に限ると過去10年間に40走し9勝。勝率22・5%は10走以上している騎手で堂々の1位と実に心強い。
叩き2走目で上積みも見込めるここは、まず大崩れは考えづらそうだ。一方で勝ち切るとなると、脚の使いどころがカギとなってくるだろう。G1・6連勝を目指して徹底的に考察していく。(角田 晨)