「オークス・G1」(25日、東京)
舞台を仁川から府中に移しての牝馬クラシック第2弾。1勝クラス-デイリー杯クイーンC-桜花賞と破竹の3連勝で1冠目を制した
エンブロイダリーが、史上18頭目となる2冠制覇に挑む。それに待ったをかけるのは2歳女王の
アルマヴェローチェだ。デッドヒートとなった桜花賞は悔しい首差負け。このまま黙ってはいられない。さあ、樫の舞台で白黒つけよう。
距離が延びる分だけ、逆転の可能性も広がる。阪神JFを制し、2歳女王として臨んだ桜花賞は首差2着に惜敗した
アルマヴェローチェ。樫の舞台に向け研ぎ澄まされた極限の仕上げに、陣営も強気の姿勢を崩さない。
「前回に関してはモレイラにうまく乗られた」と上村師は唇をかむ。勝ち馬との差は位置取りの妙もあったが、上がり最速で猛追した脚力はやはり一流のもの。「距離が延びれば、巻き返してもいい」と敗戦のなかにも手応えを得た。母系はス
プリント色が濃いものの、父
ハービンジャーは昨年の覇者
チェルヴィニアと同じ。「この馬の強みは操縦性の高さ。もともと長い距離がいいと思っていたから」と1週前追い切りでまたがった指揮官は、その感触を強くしている。
前走後は在厩で調整を進めてきた。前回12キロ増だった馬体に、柴原助手は「僕的には正直、成長分にしても重かったかなと。一度使って軽くなった。変わらず強い調教をして、しっかり頑張ってくれている。心肺機能、能力の高さはもちろん、この時期の牝馬らしくない大人びた男馬のような余裕がある」と上積みを強調する。
あとは当週の最終リハをクリアし、大一番を待つのみ。「何も心配していないです。もう、ほぼ何もすることはない」と胸を張る柴原助手。指揮官も「いい状態で出せると思う。左回りも問題ない」と泰然自若の構え。逆転戴冠の準備は整っている。