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【葵S】1400メートル以下で3戦負けなしのムイ 「うまく乗れればチャンス」今村聖奈騎手が重賞初Vへ導く

2025年05月27日 16:28

ムイ

◆第8回葵S・G3(5月31日、京都競馬場・芝1200メートル)

 4戦3勝のムイ(牝3歳、栗東・笹田和秀厩舎、父ミッキーアイル)が重賞初制覇に挑む。手綱を執るのは新馬戦からコンビを組む今村聖奈騎手=栗東・寺島良厩舎=だ。4月上旬から先週末まで春の福島、新潟競馬に騎乗するため美浦に滞在。「レースに向けて厩舎の方と話し合いをして、一頭一頭と向き合うことができました」という充実の7週間を糧に、自身2つ目のタイトルへ闘志を燃やす。

 マイルに距離を延ばした2走前のニュージーランドTは、ゲート裏でテンションが上がった影響もあり12着に敗れた。1400メートルに戻った前走の橘Sでオープン初勝利。出遅れて後方からとなったが、マイペースを刻んだ逃げ馬をゴール前できっちり差し切った。「前走は(発走前の)ポケットから落ち着いていて、うまく調整してもらったおかげでいい精神状態でゲートインできた印象です。ペースがあまりにも遅かったので、前に行こうとしていたけど、よく我慢してくれました」と納得の表情で振り返る。

 ムチに反応してふらつくなど、まだ幼さは残すが、秘める能力は高い。今村は「(直線の加速で)右肩上がりのようにスッと上がっていける。乗っていて心地がいいです」と素質を絶賛。「ここまでステッキをあまり使わずに勝っている馬も珍しいと思うし、すごくいい経験をさせてもらっています」と相棒に感謝する。

 デビューした22年にCBC賞を制し、JRA重賞初騎乗初勝利の快挙を成し遂げた後、重賞は24度騎乗して勝ち星なし。今回は今村が年間6勝と大きく成績を落とした昨年も変わらず騎乗を依頼しサポートしてくれた、恩師の一人と慕う笹田調教師とのタッグで挑む。「そういった先生とこういった舞台に挑めるのは非常にうれしいですし、結果を出すことが最大の恩返しかなと。自分がうまく乗れればチャンスはあると思うので、頑張りたいです」と意欲。すでに8勝を挙げ、51勝をマークした1年目の勢いを取り戻しつつある。ひと皮むけた21歳の手綱さばきに注目だ。(山本 理貴)

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