◆第92回日本ダービー・G1(6月1日、東京競馬場・芝2400メートル)＝5月27日、栗東トレセン

　開業2年目で“祭典”にドラゴンブーストを送り込む。藤野健太調教師には感謝の思いが尽きない。「みんながここを目指して馬づくりをしている特別なレースのひとつ。なかなか出走させることも難しい。オーナーがいい馬を預けてくれたおかげです」と頭を下げた。

　皐月賞に続き“師弟対決”も実現する。ミュージアムマイルを管理する高柳大輔調教師は、ノーザンファーム時代から20年以上の友人で、高柳大厩舎で助手を務めていた際には、調教師になることを後押ししてくれた恩人。同厩舎で働いていた縁で、馬主の水谷美穂氏からドラゴンブーストを任せてもらえることにもなった。皐月賞では偶然にも同じ6枠。「感慨深かった。お互い調教師になって、枠も隣で」と振り返った。

　17着だった皐月賞からの巻き返しへ。1週前の22日には栗東・坂路で1秒4も自己ベストを更新する51秒1。こん身の仕上げを施してきた。「向こうは皐月賞馬。こっちは人気はないだろうけど、恥ずかしくない仕上げで送り出したい」。挑戦者として真っすぐ前を見つめた。(戸田　和彦)