安田記念2025に出走予定のトロヴァトーレ(今年4月撮影、ユーザー提供:グチマサさん)
ダービー卿CTを制したトロヴァトーレ(牡4、美浦・鹿戸雄一厩舎)が、安田記念(3歳上・GI・芝1600m)でGI初制覇を狙う。
トロヴァトーレは父レイデオロ、母シャルマント、母の父エンパイアメーカーの血統。母は未出走だが、半兄のライツフォルはダートのオープンで活躍中。伯母のディアドラは17年の秋華賞と19年の英G1・ナッソーS、叔父のフリームファクシは23年のきさらぎ賞を制している。遡れば曾祖母は名繁殖牝馬のソニンクなので、近親にはロジユニヴァースやソングライン、パンジャタワーなどの活躍馬が並ぶ。
ここまで10戦6勝。デビューから新馬、葉牡丹賞と連勝。その後のトライアルで結果を残せず、クラシック参戦は果たせなかったが、ここでマイル路線に切り替えたことが吉と出た。2勝クラスを1戦、3勝クラスを2戦でクリアすると、リステッドのキャピタルSでもウォーターリヒトからハナ差の2着に奮闘。年が明けて同じくリステッドのニューイヤーSを快勝すると、前走のダービー卿CTで重賞初制覇を果たした。どちらかといえば中山向きのイメージがあるものの、東京が悪いわけではない。先月には同舞台のNHKマイルCを近親のパンジャタワーが勝利。自身の勢いに加え、血の追い風も強調材料となる。
レイデオロ産駒はこれまでJRA重賞に延べ31頭が出走。今年になって勢いがあり、阪神大賞典のサンライズアース、ダービー卿CTのトロヴァトーレ、そして先週の目黒記念のアドマイヤテラと、瞬く間に3勝を挙げた。GIは延べ8頭で24年の菊花賞のアドマイヤテラの3着が最高着順だが、機は熟したか。トロヴァトーレが「GIの壁」を突破し、父に最高のプレゼントを届けることを期待したい。