ダービー卿CTを制した
トロヴァトーレ(牡4、美浦・鹿戸雄一厩舎)が、安田記念(3歳上・GI・芝1600m)でGI初制覇を狙う。
トロヴァトーレは父
レイデオロ、母シャルマント、母の父エンパイアメーカーの血統。母は未出走だが、半兄の
ライツフォルはダートのオープンで活躍中。伯母の
ディアドラは17年の秋華賞と19年の英G1・ナッソーS、叔父の
フリームファクシは23年のきさらぎ賞を制している。遡れば曾祖母は名繁殖牝馬の
ソニンクなので、近親には
ロジユニヴァースや
ソングライン、
パンジャタワーなどの活躍馬が並ぶ。
ここまで10戦6勝。デビューから新馬、葉牡丹賞と連勝。その後の
トライアルで結果を残せず、クラシック参戦は果たせなかったが、ここでマイル路線に切り替えたことが吉と出た。2勝クラスを1戦、3勝クラスを2戦でクリアすると、リステッドのキャピタルSでも
ウォーターリヒトからハナ差の2着に奮闘。年が明けて同じくリステッドのニューイヤーSを快勝すると、前走のダービー卿CTで重賞初制覇を果たした。どちらかといえば中山向きのイメージがあるものの、東京が悪いわけではない。先月には同舞台のNHKマイルCを近親の
パンジャタワーが勝利。自身の勢いに加え、血の追い風も強調材料となる。
レイデオロ産駒はこれまでJRA重賞に延べ31頭が出走。今年になって勢いがあり、阪神大賞典の
サンライズアース、ダービー卿CTの
トロヴァトーレ、そして先週の目黒記念の
アドマイヤテラと、瞬く間に3勝を挙げた。GIは延べ8頭で24年の菊花賞の
アドマイヤテラの3着が最高着順だが、機は熟したか。
トロヴァトーレが「GIの壁」を突破し、父に最高のプレゼントを届けることを期待したい。